ユーザー企業にとってクラウドコンピューティングは、自社の情報システムが身軽になる、そしてIT部門が“ラク”をする手段となる。自社で運用するシステムとクラウド上のシステムが柔軟に連携できるようになることで、経営環境やニーズの変化に応じてシステムが素早く組み変わる。そんな新しい基幹系システムの姿も見えてくる。 「1994年当時のインターネットに似ている」。マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、クラウドコンピューティングの現状をこう分析する。94年はヤフーとネットスケープ・コミュニケーションズが創業した年だ。インターネット自体の普及は今ひとつ。しかし両社のようにインターネットの可能性を信じた企業が、相次いで登場していた時期だ。 当時、企業はインターネットをどう見ていたか。企業が仕事に利用するなど、まして企業間のビジネスインフラに利用するなど、冗談でしかなかった。対して、現在のインターネッ
![身軽で柔らかいITへ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)