もう間もなく、各地に梅雨明け宣言が発表されるだろう。 そもそも、梅雨入りが、軒並み遅かった。 鼻タレ小僧の頃、同世代のアイドル歌手が、制服姿で雨にずぶ濡れになっているレコードジャケットを見たのだが、その時の甘酸っぱいインパクトが、何年も何年も経ってから、不意によみがえり「初恋だったかもしれない」と思えてしまうほど、胸が切なく、そして、熱くなった。そして、ぼくは、いても経ってもいられなくなり、想いをペンに託し、短い詩を書いた。 六月の雨 校門を出たとき 降りはじめた雨 雨を片手で よけながら 駈けていく 制服のきみ 若葉や 舗道を 濡らす 六月の雨が きみを濡らしていく きみの そのほそい肩を きみの そのしろい指を
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