東京電力福島第1原子力発電所では、冷却機能復旧に向けた作業とともに、使用済み核燃料プールへの放水が続けられている。27日には50メートル以上の高さから狙った場所に放水できる民間のコンクリートポンプ車が1台追加された。最も有効で安全な方法とされるが、現場に投入されたのは自衛隊、警察、消防による放水の後だ。政府内でも「順番」が疑問視され、官邸の情報収集や判断能力不足を指摘する声が目立つ。 19日午後に開かれた「各党・政府震災対策合同会議」の第1回実務者会合。公明党の石田祝稔政調副会長は、民間のドイツ製コンクリートポンプ車について、「国土交通省は存在を知っていたはずだ」と官邸と省庁との連携不足を指摘した。 公明党の説明では、ポンプ車の活用を官邸側に提言し、19日朝に「使う」と回答があったという。官邸はそれまで、自衛隊と警察、消防に半ば強引ともとれる放水要請を繰り返しており、注水に最も効果的なポン