先日、水産庁の資源管理あり方検討会が開かれた。この手の検討会が開かれるのは実に6年ぶりである。6年前の検討会は、資源管理反対派を集めて、資源管理をしない言い訳を並べただけだった。今回も、俺以外はこれまでと同じメンバー。水産庁OBが大勢をしめる委員たちは、「日本の漁業管理はすばらしい」と自画自賛しているだけ。今年の3月から6月まで、密度が低い会議をたった6回しただけで、国の漁業政策の方針を決めようというのだから、乱暴な話である。 水産庁にとって、この手の会議は、財務省と政治家に予算をねだるための儀式である。議論の内容ではなく、会議をやったという既成事実が重要なのだ。会議の着地点(とりまとめ)は、あらかじめ決められている出来レースだ。その証拠に、俺以外の委員は、「日本の漁業は現状でうまくいっている」と言い張って、個別漁獲枠方式(IQ方式)の問題点を並べて反対していたのだけど、会議のとりまとめは