招待席・主権在民史料 大内 力 おおうち つとむ 経済学者 1918年 東京に生まれる。東京大学名誉教授。掲載作は、昭和四十九年九月十日初版の中央公論社版「日本の歴史」第24巻『ファシズムへの道』の二つの章を招請・抄出した。 暗く絶望的な軍国「昭和」日本の不幸な暴走をまざまざと顧み、いましも「有事」の名目でどう動いて行くか知れぬ戦後六十年「平成」日本の不気味な傾斜に、はたして「国家的独占資本主義」と結託したまた新たな「ファシズム」への気配はないかどうかを推測すべく、優れた歴史認識と記述から、とくに「準戦時体制へ」の危険を深く学び、また先立つ、色川大吉『自由民権 請願の波』隅谷三喜男『大逆事件 明治の終焉』また今井清一『関東大震災』にひき続いて、日本の近代推移の実況と問題を、「主権在民」の願いと共に読み取りたい。 ファシズムへの道 準戦時体制へ 準戦時体制へ 挙国一致内閣 五・一五事件で