皮肉なことに、プロジェクトと失敗とは相性がよい。納期どおりにできなかった、要求どおりにできないことが多い、機能を削減することが多いなど、もともとの目的、スコープから、後退したプロジェクトの経験を持つITエンジニアは多いに違いない。なぜ目的どおりにいかないのか。どこを改善したらいいかを本連載で明らかにし、処方せんを示していきたい。 甘い計画でプロジェクトをスタートすると 日本の社会は「委託者の地位が異常に高い」という特徴を持っている。委託者は納期はしっかり押し付けるにもかかわらず、要件定義ではなかなか結論を出さなかったりする(出したがらない)。このつけは、プロジェクトマネージャに回される。人のよいプロジェクトマネージャは、これを何とかしようとして、最初から無理な計画を立ててしまうことになる。これが失敗プロジェクトへの道の第一歩である。 プロジェクトにリスクは付きものである。従って、このリスク