夏になると蚊に悩まされるのはある程度仕方ない。しかし、途上国などマラリア蚊のいるところとなれば「仕方ない」では済まされない。日本の蚊取り線香や蚊帳も役に立っているようだが、そこから離れれば蚊に狙われてしまう。虫除けスプレーや殺虫剤は効果があるだろうが、蚊に有害なものは人体にもいいわけがない。長期にわたって使い続けるとなれば、小さな子どもや妊婦への影響も心配になってくる。 米カリフォルニアのKite社が開発した〈Kite Patch〉は、服に貼り付けて使うタイプの小さな蚊よけパッチだ。蚊は二酸化炭素の濃度が高いほう(血が吸える生物がいる証拠)へ近寄っていく習性がある。つまり、二酸化炭素の濃度の違いを追跡して人間のほうへ飛んでくるわけだが、〈Kite Patch〉には、蚊の受容器ニューロンに作用し、二酸化炭素を追跡できないようにする物質が仕込まれている。具体的な成分については企業秘密とのことだ