寂しさに秋波を送られたもっと丁寧な生き方をしていれば、こんな寂しさを覚えることもなかったのにとため息ばかりついてる。 この三月で新人として配属されて以来ずっと在籍していたプロジェクトを離れることになる。 中国への業務委託が加速した結果、仕事が減ったのが大きな理由だ。半年くらい前から工数の締め付けで、一人減り、二人減り、先がないことは薄々予想していたけど話が急展開を見せたらしい。 今年度でチームそのものが解体されることが決まった。 二月からは開発もストップし、ブリッジSEに名前を変えてアドバイザーとして入っていたけど自分より優秀で工数が安い彼らになけなしのノウハウを授けることくらいしかなくて、仕事をしてるよりも、なんとはなしの諦めと納得を得るために務めてる時間の方が長かった。 中国側のエンジニア……やっぱりブリッジSEなのだろう、いつも同じ名前なのに問い合わせ内容に応じて変わる英語の文面に、あ、この人はいい人だ。
