発売直後に重版が決まった話題の書『日本の気配』。なぜ空気ではなく、気配なのか。気配に抗う方法はあるのか――著者の武田砂鉄氏(35歳)と、先日、バズフィードジャパンを退社しフリーランスとなった石戸諭氏(34歳)の二人が、この本を題材に「この国にいま漂う、奇妙な気配」について語った。 「勘ぐれ」 石戸 『日本の気配』というタイトルを見たときに、「なるほど、気配か」とうなってしまいました。本書の冒頭にも「なぜ、空気ではなく、気配なのか。空気読めよ、とは言われるが、気配読めよ、とは言われない。気配なんて読めないからだ」と書いていますが、武田さんが伝えたかったのは、いま、日本を覆っている「気配」の不気味さなんだろうと読みました。 武田 そうですね。「空気」が支配する国だった日本の病状がさらに進み、いまや誰もが「気配」を察知することで、自粛、どころか自縛する時代になったと感じています。 「空気」や「気
