いわゆる「夜の街」の代表格として知られる新宿・歌舞伎町。15歳の時からこの街に足を運び続けたという佐々木チワワ氏は、「歌舞伎町の社会学」として現地のフィールドワークを続け、その成果を21歳になった昨年末、『「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認』(扶桑社新書)として出版した。 慶應義塾大学に在学しながら、歌舞伎町の文化とZ世代にフォーカスした記事を多数執筆してきた彼女は、ここ数年の間で、新しい価値観が歌舞伎町の中に浸透してきたと語る。近年になって現れた、いわゆる「ぴえん系」と呼ばれる少年少女――「トー横キッズ」と呼ばれるコミュニティに所属する若者たち、病み系のファッションをしたバーテンダー、ホストクラブの「推し」に会うために歌舞伎町に来た少女たち。彼ら彼女らはそれぞれどのような価値観や文化を持っているのか。「ぴえん」という言葉を基軸に現代の若者たちを考察する佐々木氏に、話をうかがった。