10回、11回を見事に無四球無安打で抑えた牧田。ベンチ前で迎える小久保監督の手に、ウイニングボールが握られている。 大会史上初のタイブレークに突入したオランダ戦。 先攻の侍ジャパンは延長11回無死一、二塁から鈴木誠也(広島)がきっちり送って走者を進めると中田翔(日本ハム)が左前に決勝の適時打を放って2点をリード。その裏のオランダの反撃を牧田和久(西武)が凌ぎ、4時間46分の総力戦を制して、準決勝進出へ大きく前進した。 「死闘です。勝ちたいという執念だけ。最後まで諦めなかった勝利でした。オランダ打線はもの凄い破壊力だった」 試合終了は午後11時54分。 お立ち台に上がって歓喜のはずの小久保裕紀監督は、疲れ果てた表情で、こう言葉を絞り出した。 「抑えは牧田」のはずが、なぜ則本だったのか? まさに、いくら語っても語りつくせないような激闘だったが、その中で試合の大きな焦点となったのが、9投手をつぎ