印刷 大正製薬は28日、欧州でドリンク剤「リポビタン」を扱っていたドイツの子会社を解散する、と発表した。1996年に進出したが、欧州では売れず、2000年以降は休眠状態だった。「再開の予定がない」として、欧州での販売を正式に断念した。 ドリンク剤と呼ばれる飲み物は、大正製薬が62年に日本で発売した「リポビタンD」が最初と言われている。欧州では80年代後半から、オーストリアのレッドブル社がリポビタンなどを参考に開発したドリンク剤の売り上げが伸び始めた。草分けの大正製薬も参入したが、「マーケティング(市場分析)がうまくいかなかった」(大正製薬)という。 大正製薬は60年代からリポビタンを海外で売り始めた。現在は東南アジア、中国、中東、米国などの15カ国で売っている。10年度のリポビタンの売上高は国内が711億円に対し、海外が63億円。海外の売上高はタイなどで伸び、前年度より約1割増えた。