戦後最大の倒産とまでいわれた日本航空(JAL)の会社更生法申請から2年。「堕ちた翼」とまで揶揄された倒産航空会社が、早くも業績を回復させてナショナルフラッグの威厳を取り戻しつつある。 JALが先ごろ発表した「5カ年中期経営計画」によれば、中心となって再建を進めてきた稲盛和夫会長が名誉会長に退き、会長職に大西賢前社長が、新社長にはパイロット出身の植木義晴氏が就任。前社長で「整備畑」出身の大西氏に続く二代続けての”現場上がり”の社長となる。JALといえば、これまで現場の空気を知らない「経理畑」や「総務畑」出身者が長らくトップを務める時代が続き、これが要因の一つとなって経営を破たんさせた。その意味で、実務型の”できる”人物を二代続けてトップに据えた稲盛前会長の人事を、「社内の士気を高める」(業界紙)と評価する声は多い。 JALは2012年3月期連結決算の業績予想を、従来予想より400億円引き上げ