長州・清末藩から幕府に送り込む 江戸幕府と長州が激しく対立した幕末期、萩藩の支藩・清末藩から幕府に送り込んだ諜報(ちょうほう)組織の存在を示す資料を下関市の大浜博之さん(70)が、亀山八幡宮で開催される文化講座で初めて公開する。大浜さんは「下関で発見されること自体あり得ないくらい貴重な資料。興味のある人はぜひ見てほしい」と話す。【仲田力行】 大浜さんは1984年、幕末期の神奈川奉行支配組頭、脇屋卯三郎の子孫で千葉県に住む女性から手紙を受け取った。手紙には、脇屋が清末藩と関わりがあることが記されていた。その5年後、市立長府博物館の職員だった大浜さんは、清末藩士の家系で下関市内に住む故渡辺ノブさん方にあった大量の資料を譲り受けた。資料は、江戸城の土手や塀の位置を示す詳細な絵図、品川台場の砲台図などを描いた幕末期の幕府の機密資料だった。