昨日紹介したスティグリッツの恐慌論への反応のうち、Roweの批判とそれに対するデロングの擁護論は、専ら理論面に焦点を当てていた。 一方、ライアン・アベントは、そもそも実際のデータがスティグリッツの議論と整合的でないことを指摘した。その後、サムナーも昨日のエントリで、実証面でスティグリッツの議論がすべて――どれか一つではなくすべての段階で――恐ろしく説得力に欠ける、と批判した。 アベントの指摘は概略以下の通り。 2008年も1929年も最初の12ヶ月の経済の悪化は似たようなものだった。しかし、当時は中央銀行が引き締め策を取ったのに対し、今回は蛇口を開けた。その結果、1930年代当時は鉱工業生産が40%近く低下し、失業率が25%を超えたのに対し、今回はそれぞれ13%の低下と10%強であった。そのことからすると、金融政策が無効だったという結論ではなく、それは重要であり、更なる緩和策がもっと今回の