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ブックマーク / www.webdoku.jp (7)

  • 「21世紀のSFベスト」牧眞司が偏愛で選んだ100冊 - 牧眞司|WEB本の雑誌

    決定版の「21世紀のSFベスト100」は〈の雑誌〉2015年11月号をごらんください。 鏡明、大森望の両氏にぼくを加え、目利きとは名ばかりの乱読と独断と適当をぶつけあって1位から100位まで並んだわけですが、その座談会に先立って各自が推薦作リストを用意しました。 鏡リストは〈の雑誌〉で鏡さんが毎年担当している「SFベスト10」(2001年度〜2014年度)から原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたもの。大森リストは大森さんの著作『21世紀SF1000』の「21世紀SF推薦作100」リストと〈の雑誌〉の常設書評「新刊めったくたガイド」(2011年1月号〜2015年9月号)の★★★★☆以上作品をあわせて、原著刊行が2001年以降のものを抜きだしたものです。そういう意味では、おふたりのリストはすでに公開されているわけです。 ぼくはそういう元手がないもので、えいやっとワガママな「21世紀

    「21世紀のSFベスト」牧眞司が偏愛で選んだ100冊 - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】異形環境と化した世代宇宙船、はたして最終的な寄港地は? - 牧眞司|WEB本の雑誌

    SFの古典的題材である世代宇宙船を正面から扱ったオールディスの第一長篇。オールディスはJ・G・バラードとならぶ英国ニューウェイヴの旗頭だが、書はそのムーヴメントが勃興する以前、1958年に発表された作品だ。しかし、すでにこの作家の特質がありありとうかがえる。ここに描かれる世代宇宙船内の異形化した世界は、物理的な環境であると同時に、ひとつの精神空間なのだ。 この船内で生まれた主人公コンプレインは地球もほかの惑星も知らず、またこの船の記録はとうに失われているので、いまいるところだけが彼にとっての唯一の世界だ。船内の空間は広大でいくつもの地域があるようだが、その全貌を把握している者は彼の身近にはいない。その〈居住区〉では前近代的な職位制度によって秩序が保たれており、コンプレインは狩人で野生動物を獲り、肉を売って暮らしていた。そこにはいちおう宗教もあって人々からあまり敬われていないが司祭もいる。

    【今週はこれを読め! SF編】異形環境と化した世代宇宙船、はたして最終的な寄港地は? - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】マイノリティとしてのロボット----現実社会の依存/搾取を前景化する - 牧眞司|WEB本の雑誌

    vNとはコンピュータの基礎を築いた数学者フォン・ノイマンに因む符号で、作中では自己増殖する人間型ロボットをさす。主人公のエイミーは女性型vNで、誕生して六年目。人間の子どもにまじって幼稚園に通っており、今日は記念すべき卒園式だ。しかし、そこで悲劇が起こる。エイミーの祖母にあたるポーシャ(彼女もvN)が式に乱入し、エイミーの母(こちらもvN)と激しく争い、そのはずみで園児のひとりを撲殺してしまったのだ。 エイミーは母を守ろうと必死でポーシャの顔にらいつき、卒園式は大混乱に陥ってしまう。人間に害をなさないはずのvNが繰り広げた凄惨な事件。事態を世間は深刻に受けとめ、エイミーは家族から引き離されて収監されてしまうが、そこで出会った男性型vNハビエルの手引きで逃亡に成功。かくして、辛く厳しい逃避行がはじまる。社会的には彼女は暴走したロボットであり、最重要指名手配の対象だ。 書は2012年発表の

    【今週はこれを読め! SF編】マイノリティとしてのロボット----現実社会の依存/搾取を前景化する - 牧眞司|WEB本の雑誌
  • 【今週はこれを読め! SF編】永遠性を獲得した人生において「死後の世界」を問い直す - 牧眞司|WEB本の雑誌

    第2回ハヤカワSFコンテストの大賞受賞作。高度に発達した情報技術をアイデアに用い、人間の意識のありようにアプローチした力作だ。その展開は、グレッグ・イーガンに代表される現代SFのトレンドにつらなる。その一方で、我が身の問題としての死を主題化する姿勢は、小松左京に近い。柴田勝家自身はそういう言葉を使ってはいないが、これは「実存」に関わる小説だ。 作品の構成は複雑で、《贈与》《転写》《弑殺》《蓄積》の各パートが交互に語られていく。この四つの物語で登場人物が重なっているらしいのだが、ひとりの人間が別々の呼称を持っていたり、固有人名がはっきり示されていないパートもあって、判然としない。そもそも、それぞれのパートの時系列も途中までわからない。因果のつらなりを推測していくミステリ的な趣向もあるのだが、この語りかたは、目先の仕掛けではなくテーマと深く関わっているのだろう。つまり、単線で一方向へ流れる時間

    【今週はこれを読め! SF編】永遠性を獲得した人生において「死後の世界」を問い直す - 牧眞司|WEB本の雑誌
    kousyou
    kousyou 2014/12/09
  • 第1章 1)ラピュタへのビザはどこで取得できるのか - 謎の独立国家ソマリランド」高野秀行|WEB本の雑誌

    「謎の独立国家ソマリランド」は書籍になりました。 「アフリカの角」の全貌を描いた世界衝撃の刮目大作『謎の独立国家ソマリランド』高野秀行著(の雑誌社刊)2月18日搬入! →詳細・ご購入はこちらから 地上のラピュタ、ソマリランドに行こう──。 2009年春、ついにそう思い立った。だが初っ端から難問にぶちあたった。どうやって行けばいいのかわからないのだ。 ソマリランドは(それが独立国家と仮定すれば)、面積は約137、600平方キロメートル。これはイングランドとウェールズを合わせたのと同じくらいの広さで、日でいえば北海道と東北地方を足した面積に近い。 国土は東西に細長い。南はエチオピア、西はジブチ、そして東は例のプントランド(もしプントランドをソマリアと考えるなら「ソマリアと」)国境を接している。北はアデン湾。海賊が暴れ回っているところだ。ちなみに、西隣のジブチに自衛艦を含む各国の海賊取締およ

  • 津山三十人殺しの新たな「真相」 - 杉江松恋|WEB本の雑誌

    津山三十人殺し。 まがまがしい言葉だが、ミステリーファンには非常になじみが深い。言うまでもなく、横溝正史が『八つ墓村』(角川文庫)の着想を、この実在する事件から採ったといわれているからだ。この他にも西村望『丑三つの村』(徳間文庫)や岩井志麻子『夜啼きの森』(角川ホラー文庫)など、この事件を題材とした、あるいはヒントを得た作品は多い。 人口百人余の集落で、その三分の一の命が一夜にして奪われるという大惨事だ。犯人は都井睦雄というたった一人の青年。その一人が、頭に二個、胸に一個を装備した懐中電灯を照明とし、日刀と猟銃で武装して、次々に住民の命を奪っていったのだ。凶行のあと、彼は山に入って自決した。 だが、この事件の真相は完全に解明されたと言いがたい。事件が起きた1938(昭和13)年5月は、日が国を挙げて戦争へと邁進していく時期だったということが災いしているのだ。すでに犯人が自決してしまった

    津山三十人殺しの新たな「真相」 - 杉江松恋|WEB本の雑誌
  • 10年前より200万円も安くなった35歳の年収~"35歳"を救え - WEB本の通信社|WEB本の雑誌

    『“35歳”を救え なぜ10年前の35歳より年収が200万円も低いのか』 NHK「あすの日プロジェクト,三菱総合研究所 阪急コミュニケーションズ 1,575円(税込) >> Amazon.co.jp >> やタウン 若い頃に思い描いていた「35歳」とは、どういう姿ですか? そう問われて作に登場する35歳の男性の一人がつぶやきます。 「いまじゃ想像もつかないですけど、間違いなく結婚して、子どもがいて、普通の家庭を築いているんだろうなと」。 現在、この男性は埼玉県の職業訓練校に通いながら、再就職に向けて準備中。電気工事士、ボイラー技士など彼が持つ資格は15個以上。どれも国家資格や都知事から与えられる正式な資格ばかり。それでも、就職先が決まりません。もともとトラック運転手として働いていた彼は、ビル管理会社に転職。最終的に年収が300万円を切るようになり、再び転職を考えました。付き合ってい

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