いや、もう白旗をあげるしかない。打ちのめされた。 石井光太の最新ベストセラー「レンタルチャイルド」を読んだ。前にこういうエントリを書いて、「物乞う仏陀」を紹介したわけだが、衝撃度や濃密さはこの最新作のほうが上回っていると思う。売れているのもよくわかる。 http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20100823(禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」) 著者は、日本でもっともハードな生き地獄を目撃した男ではなかろうか。「生き地獄ウォッチャー全日本大会」みたいなものがあったとしたら、たぶん優勝するだろう。それほど濃厚な暗黒がぱんぱんにつまっていた。「物乞う仏陀」でも、インドマフィアの内部に侵入しただけあって(おかげで仲介したマフィアの下っ端が腕を切断されるという制裁リンチあり)、インド貧民街の臭いや熱気がすごい。そこに登場する人間たちもノンフィクションとは思え
強烈なノンフィクション本を読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「本当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い
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