もう一人、話を聞きたい人がいた。ノンフィクションライター、杉浦由美子さん(39)。05年に「AERA」誌上で、一般メディアでは初めてとなる腐女子の紹介記事を書いた。「腐女子化する世界 東池袋のオタク女子たち」などの著書もある。 筋金入りの腐女子ウオッチャーとして、この呼び名をどう思います? 「腐っても女子とでも言いますか。『女子』にこだわるのは女であることを降りていないということ。女としてのアイデンティティーが強いのでしょうね」 杉浦さんが「降りていない」と言うのは、腐女子があまりにフツーの女性だからだ。「彼氏がいたり、結婚している人も珍しくない。妄想と現実をきっちりと分けているんです。よく腐女子の特徴を聞かれますが、カレー好きや喫煙者と一緒で、コレという特徴はありません」 最近目を見張るのは、腐女子という概念の広がりだ。 「特に10代を取材していると、BL(ボーイズラブ)本は全然読まない