フィリップ・コトラーによる最新作のテーマは「資本主義」だった。“近代マーケティングの父”と称されるマーケティング学者が、なぜ資本主義を論じるのか。そして、コトラーはこれからの企業に何を求めているのか。『資本主義に希望はある』(ダイヤモンド社)の日本版出版を記念して、編集部が単独インタビューを実施した。前後編の全2回。(写真/引地信彦) “近代マーケティングの父”が資本主義を論じる ――最新作『資本主義に希望はある』では、タイトルの通り資本主義をテーマに掲げています。コトラー先生はマーケティングの専門家としてのイメージが強く、これには意外な印象を受けました。 フィリップ・コトラー(以下略) みなさんは私をマーケティングの専門家だと思っているかもしれませんが、私は米国でも著名なシカゴ大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)という二つの大学で経済学の博士号を取りました。単に著名な大学というだけで