この化石には、パレオピュトン・フィシェリ(Palaeopython fischeri)という古代のボア科のヘビと、ヘビが食べたトカゲと、トカゲが食べた昆虫が含まれている。矢印はヘビの体内のトカゲの鼻先(図解入りの写真は下にあります)。(PHOTOGRAPH COURTESY KRISTER T. SMITH) およそ4800万年前、いまのドイツのメッセル採掘場にあたるところで、イグアナと近縁のトカゲが昆虫を見つけて食べた。ところがその直後、パレオピュトン・フィシェリ(Palaeopython fischeri)というボア科の若いヘビに頭から丸のみにされてしまった。 私たちがこのトカゲの不運を知ることができたのは、トカゲを食べたヘビもまた、とんでもなく運が悪かったからだ。当時、この場所には深い火山湖があった。湖の水には毒性があり、大量の二酸化炭素を吐き出すこともあったため、水生動物だけでなく