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ブックマーク / oikawamaru.hatenablog.com (8)

  • 日記 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    有明海の生物相が壊れつつあることに関連した個人的メモと個人的演説。 アユ。有明海にそそぐ最大の河川である筑後川の河口堰である筑後大堰を管理する(独)水資源機構では、筑後大堰魚道におけるアユとモクズガニの遡上数調査をずっと続けていて、結果を公開してくれています→リンク 上のリンクから稚アユ遡上数の経年変化のグラフです。1998年(平成10年)頃にいったん減って、その後2006年(平成18年)からきわめて低調となっています。ところで筑後川のアユといえば、大分県日田市の大アユが有名ですが、福岡県と大分県の県境には魚道のない夜明ダムが鎮座しているので、実は有明海からの天然遡上個体群は存在しません。 こちらはモクズガニの遡上数の経年変化。アユと似たような形で、2004年(平成16年)からきわめて低調となっています。 次いでアサリ。今年に有明海産(熊県産)アサリの産地偽装問題が話題となりましたが、そ

    日記 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2022/07/28
    大事と思わない奴ばかり(泣)>川にアユがいなくて、干潟にアサリがいない、というのは本当に大変な事態だと思います。どちらも本来、超普通種です。誰もそれを大変な事態だと思わないのでしょうか
  • 水生のゴキブリ - オイカワ丸の湿地帯中毒

    サツマゴキブリという昆虫をご存じでしょうか。 国内では関東地方以西の州、四国、九州、南西諸島などから記録されていますが、主な分布域は九州南部以南というゴキブリの一種です。特に南西諸島では普通にみられます。成虫にも翅はなく、前胸側部には黄色い縁取り模様があり、かわいらしい種です(写真は徳之島でみかけた個体)。ゴキブリというと身近な害虫No.1で許せないという意見が殺到すること間違いなしですが、種は主に野外性で、大した害はありません。嫌わないでください。 このサツマゴキブリについて、私は、幼少時から並々ならぬ関心を持っていました。それはなぜかというと、幼少時から愛読していた「小学館の学習百科図鑑 昆虫の図鑑」に、「幼虫は水生」との一文があったからです。 1980年出版の私の愛読書↑ ご存じの通り、私にとって生物は水生か否か、というのが非常に大きな境界線であり、水生のゴキブリがいる!というこ

    水生のゴキブリ - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2020/12/03
    わお>サツマゴキブリ幼虫は水生と信じてましたが、これは誤り。幼虫が水生なのはマダラゴキブリ類。図鑑にしばしば書かれている「サツマゴキブリの幼虫は水生」という記述は、マダラゴキブリ類幼虫との取り違え
  • 侵略的外来種としてのコイ - オイカワ丸の湿地帯中毒

    最近福岡県内のとある川において、「きれいな川を取り戻すべく、環境教育として子供にコイを放流させた」、というような新聞記事をみかけました。このように自然河川へのコイ放流を子供にさせて川を保全する心を教えたい、という「環境教育」は時折目にしますが、これには問題があります。 そもそも、飼育品種の外来系統のコイは純然たる外来生物であり、加えて外来系統のコイが生態系に大きな悪影響を与える研究例は複数報告されています。すなわち外来系統のコイは侵略的な外来種という位置づけになります。 コイは日にも在来の集団がいましたが、最近の研究では在来ゴイはほぼ琵琶湖にしか残っておらず、国内他地域でみられるほぼすべてのコイが中国大陸やヨーロッパのコイの遺伝的特徴をもった改良品種のコイ(いわゆるヤマトゴイやニシキゴイ)の系統、すなわち外来系統であることが明らかになっています。この改良品種のコイは養殖がしやすいため、一

    侵略的外来種としてのコイ - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2020/03/17
    鯉が侵略的外来種であること、特に地方の権力持ってる連中は知らずにいる
  • 論文 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    Watanabe, K., Tabata, R., Nakajima, J., Kobayakawa, M., Matsuda, M., Takaku, K., Hosoya, K., Ohara, K., Takagi, M., Jang-Liaw, N.H. (2020) Large-scale hybridization of Japanese populations of Hinamoroko, Aphyocypris chinensis, with A. kikuchii introduced from Taiwan.Ichthyological Research: online first  LINK 台湾産A. kikuchiiの移入に伴う日産ヒナモロコA. chinensisの大規模な遺伝的攪乱、という論文です。ご存知のようにヒナモロコは東アジアに広く分布する淡水魚で、国

    論文 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2020/02/01
    放流(おそらくは善意)が遺伝子撹乱による種の絶滅をもたらすという、やるせない話…というのも、鯉の放流とかする連中には届かないんだろうなあ…
  • 論文 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    Tominaga, K., Nagata, N., Kitamura, J., Watanabe, K., Sota, T. (2019) Phylogeography of the bitterling Tanakia lanceolata (Teleostei: Cyprinidae) in Japan inferred from mitochondrial cytochrome b gene sequences. Ichthyological Research: online first(LINK) 我らがヤリタナゴの網羅的な分子系統地理論文です。こちらに著者の富永さん所属機関によるプレスリリースも出ています(リンク)。 ヤリタナゴはコイ科の純淡水魚ですが、朝鮮半島の一部と州、四国、九州の広域に自然分布し、カマツカと同様に純淡水魚としては非常に広い自然分布域をもっている珍しい分布様

    論文 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2019/10/29
    釣り人のクソ放流ってバスだけじゃないんだ…タナゴ釣りでもそういうのが(戦慄)
  • アメリカザリガニについて - オイカワ丸の湿地帯中毒

    外来種としてのアメリカザリガニの侵略性について、最近読んだ関連論文のメモと感想。(※アメリカザリガニは2023年6月1日に条件付特定外来生物に指定されました。個人で採集・飼育は可能ですが、売買や放流は禁止、違反には罰則があります) Anastacio, P.M., Parente, V.S., Correia, A.M. (2005) Crayfish effects on seeds and seedlings: identification and quantification of damage. Freshwater Biology, 50: 697-704.(LINK) ※アメリカザリガニによる水生動植物の捕と稲への害を報告した論文。 Angeler, D.G., Sanchez-Carrillo, S., Garcia, G., Alvarez-Cobelas, M. (2

    アメリカザリガニについて - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2019/10/25
    アメリカザリガニの環境に対する圧力について。ザリガニといえば、中国では食材としてブームらしいけど日本でも…
  • 書評 - オイカワ丸の湿地帯中毒

    ウラケン・ボルボックス(絵と文)・五箇公一(監修)「侵略!外来いきもの図鑑 もてあそばれた者たちの逆襲」PARCO出版 publishing.parco.jp 侵略性のある外来種は生態系のみならず、農林水産業や公衆衛生、文化財などあらゆる分野に問題を与えており、現在の日においても多くの「害」を引き起こしています。したがって、外来種問題は国内において早急に対策・解決すべき社会的な重要課題の一つと言えます。しかしながら外来生物法ができたのが2005年、生態系被害防止外来種リストと外来種被害防止行動計画ができたのが2015年ということで、社会的課題として認識されたのがごく最近ということもあり、まだまだ正しい知識の普及が不足しており誤解も蔓延している状況にあります。加えて、即刻人命に悪影響を及ぼすという類の問題ではないこと(一部そういう外来種もいますが)、また課題解決にはその生き物を「駆除」する

    書評 - オイカワ丸の湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2019/03/28
    興味深い
  • フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?」書評 - 湿地帯中毒

    フレッド・ピアス「外来種は当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD」草思社. 全体として書は専門的な用語の定義や使い方に誤りが多く、そもそも「社会問題としての外来種問題」に関する基的な部分に誤解があります。したがって導き出される考察や結論も誤りが多いです。唯一良いのはなるべく出典を示していることで、気になった事例を後で調べることができます。著者は丁寧に原典にあたって持論を展開しており、その点は「日のトンデモ学者や適当ライター」のよりはるかに真面目です。 ただ、こののテーマはタイトルから見えてくるように「外来種は悪か?善か?」であり、「外来種は悪ではない、善だ!」と言う持論を普及したくて執筆したのでしょうが、そもそも農業用作物の多くは外来種(イネもジャガイモももう色々)ですし、世間的に問題にしている外来種というのは「侵略的なごく一部の外来種」だけであって、21世紀の現

    フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?」書評 - 湿地帯中毒
    kowyoshi
    kowyoshi 2016/09/20
    フレッド・ピアス「外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD」については、武田邦彦の著作と同程度と思えばいいのかしら?
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