そのメールは,納期の2カ月前に突然送りつけられてきました。「もうこれ以上開発を続けられない。手を引かせてくれ。契約した委託費はいらない」---アウトソーシング先であるインド側責任者からの通告でした。 「優秀で誠実」だった最初の印象 それは,インドのあるソフト会社に,工数30人月ほどのミドルウェア開発を外注した時のことでした。最適な海外委託先を選定するため,中国とインドの両方のソフト会社に要求概要を提示して提案書を出してもらい比較検討しました。インドのソフト会社は,オープン技術とオブジェクト指向技術を基にした提案で優れており,プレゼンテーションの内容も的確。加えてインド側責任者のスキルは極めて高く,人柄もよく信頼できるという印象でした。我々は迷うことなく,インド企業への開発委託を決めました。 インド側のプロジェクト・リーダーを日本に呼び寄せ,要求仕様について打ち合わせた後,オフショアで開発,
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