kozakashikuのブックマーク (678)

  • 物事、とりわけ好きな/嫌いなことを論じる難しさ—『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』メモ - ソガイ

    三宅香帆『なぜ働いているとが読めなくなるのか』(集英社新書)は、社会人となってからを読まなくなってしまったことにショックを受け、3年半後にを読むために退職、現在は文芸評論家として活動している著者が日の近代以降の労働史と読書史を並べて俯瞰したうえで、働きながらを読むためにはどうすればよいのかを考え、提案していくものである。 麦「俺ももう感じないのかもしれない」 絹「……」 麦「ゴールデンカムイだって七巻で止まったまんまだよ。宝石の国の話もおぼえてないし、いまだに読んでる絹ちゃんが羨ましいもん」 絹「読めばいいじゃん、息抜きぐらいすればいいじゃん」 麦「息抜きにならないんだよ、頭入んないんだよ。(スマホを示し)パズドラしかやる気しないの」 絹「……」 麦「でもさ、それは生活するためのことだからね。全然大変じゃないよ。(苦笑しながら)好きなこと活かせるとか、そういうのは人生舐めてるって

    物事、とりわけ好きな/嫌いなことを論じる難しさ—『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』メモ - ソガイ
  • ジョセフ・ヒース「民主主義における政党の役割:ロブ・フォードについての考察その3」(2014年5月3日)

    トロント市長ロブ・フォードが、選挙キャンペーン(と自身の仕事)を一旦やめてリハビリに専念することに決めた [1] … Continue reading 。トロント市民の多くは、このニュースを聞いて間違いなく安堵したことだろう。現実の問題について議論できるようになるかもしれないと考えると、ほとんど胸が躍るような気持ちになる(また私としては、オリヴィア・チャウ [2]訳注:トロント市長選での左派の候補者。ヒースは、再分配に傾倒しすぎているとしてチャウに批判的な態度をとっている。このエントリを参照。 に投票しなければならない義務感を抱かずに済むという開放感もある)。 題に入る前に、フォードに少しだけだがお別れの言葉を述べておきたい。みんなと同じく、そうする誘惑に抗しきれないからだ(これは当のお別れではない。フォードはまず間違いなく30日以内に戻ってくるだろう。「願わくばお別れにしたい」という

    ジョセフ・ヒース「民主主義における政党の役割:ロブ・フォードについての考察その3」(2014年5月3日)
    kozakashiku
    kozakashiku 2024/07/05
    訳しました~
  • 文体を作ろう! それなりに英語は読めるのに英作文が極端に苦手なあなたへ - Write off the grid.

    0.はじめに このエントリは、なんとなくですが、 ①大学受験の延長で勉強を続けた結果それなりの英語力はあるのに、 ②読解力にくらべて作文力が極端に劣ると感じていて、 ③もう少し英作文ができるようになりたい人 といったあたりの、わりあい限られた読者にむけて書かれています。 限られているとはいえ、こういった症状と願望を持つ日人は、かなり多いはずです。 わたしも完全にこのパターンだったのですが、留学準備の試験対策として、短期集中で勉強した結果、この状態から脱する方法が見えたように感じています。 いそいで注記しておけば、これは、わたしの現在の英作文力がものすごく高いという自負から書いているわけでは、まったくありません。 上記のような悩みを抱えている人が、まず最初に起こすべきブレイクスルーを、どうしたら起こせるのか。わたしが提案できると思うのは、その方法だけです。 その方法は、ひとことで言えば、

    文体を作ろう! それなりに英語は読めるのに英作文が極端に苦手なあなたへ - Write off the grid.
  • ブラッド・デロング 「経済学者が移民の受け入れに賛成しがちなのはなぜなのか?」(2006年7月6日)

    マンキューがめちゃくちゃ鋭い指摘をしている。 Greg Mankiw’s Blog: “Why Economists Like Immigration”: 移民制度改革に向けた議論が上下両院で進められている最中だが、移民に友好的な上院案に大半の経済学者が賛同している理由をまとめておいてもよさそうだ。 経済学を学ぶと、次の二つの強烈な衝動が体内に埋め込まれることになる。 「リバタリアン」の衝動:大人同士がお互いに得になると考えて行うやりとりには、そのやりとりに伴って外部性が生じない限りは、干渉すべきではない。自由な市場経済圏で暮らす人々が豊かになれるのは、自発的なやりとりが認められるおかげである。政府が自発的な交換(やりとり)を邪魔すると、市場の「見えざる手」が魔力を発揮できなくなってしまう。 「エガリタリアン」(平等主義)の衝動:市場経済圏では、一人ひとりの報酬(稼ぎ)は、その人に内在する

    ブラッド・デロング 「経済学者が移民の受け入れに賛成しがちなのはなぜなのか?」(2006年7月6日)
  • ジョセフ・ヒース「民主主義理論についての付記」(2016年2月10日)

    (規範的)民主主義理論に目を向けると、こうした現象を理解する上で役に立つような議論はどこにも見当たらない。社会がこの現象にどう対応すべきかについて考えたい場合はなおさらだ。 このエントリは前の投稿〔翻訳はここで読める〕への付記である。今朝、朝べながらエコノミスト誌を読んでいて(そう、私はそういうことをしているのだ)、次の一節に出くわした(実際にはアメリカの上院議員テッド・クルーズに関する記事である)。 アイオワ州の共和党上位2人のうちの片方は、どの国にも見られるタイプだ。政策に乏しく、自惚れと誇張が激しく、自分が蔑んでいる国を、自分の意志の力で取り戻すと約束する。自分を強い男に見せるドナルド・トランプの仕草は、ブエノスアイレスからローマに至るまでおなじみのものだ。リアリティ番組と不動産ビジネスという要素が事態にひねりを加えているが。 トランプは「どの国にも見られる」タイプの人物で、ア

    kozakashiku
    kozakashiku 2024/07/04
    訳しました〜
  • ジョセフ・ヒース「有名人による支配?:俳優が政治家として成功しない理由」(2016年1月17日)

    民主主義社会における政治システムの最上層(つまり、テレビが最も重要な情報伝達媒体となっている領域)は、なぜ俳優に乗っ取られていないのだろう? ケヴィン・オレアリー〔カナダの有名な実業家で、テレビ番組のパーソナリティもつとめていた人物〕がカナダ保守党の党首選への立候補を検討しているらしい。このニュースは床屋政談好きの人々(chattering class)に、ここ数カ月渇望していた話の種を与えてくれた。 もちろん、オレアリーが当選する見込みはない。オレアリーはフランス語を話せないからだ。自分はモントリオール生まれで、理屈抜きで「ケベックを理解している」から、フランス語を話せなくても問題はない、というのがオレアリー自身の主張だ。言うまでもないが、当にケベックを理解している人なら、ケベックのフランス語話者が何よりも嫌っているのは、ケベック出身でフランス語を話せない人だと知っている。サスカチュワ

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    kozakashiku 2024/07/04
    訳しました〜
  • アダム・グリ「『発明』を発明する:ブラッドフォード・デロング『20世紀経済史:ユートピアへの緩慢な歩み』書評」(2022年11月21日)

    19世紀、世界の一部の地域(「グローバル・ノース」)が豊かになり始めた。成長はゆっくりと始まったが、19世紀終盤には急加速し始めた。科学、技術、生産能力の拡大は想像を絶するもので、当時の人々の一部はさらにその先を想像し始めた。この物質的成長のトンネルの先に人々が見たのは、人間の持ち得るあらゆる欲求が充足され、余暇の時間もたっぷりと残された、真のユートピアであった。 それから1世紀半経ったが、ケインズの想像した余暇の有り余る社会にも、ましてマルクスの無階級社会、あるいはヴィクトリア期に生まれ育ったユートピア主義者たちの思い描いた地上の楽園にも、私たちは到達できていない。ユートピアに到達しようとする人類の試みの中で成功の見込みがあったのは、1914年から1991年までの「短い20世紀」、すなわちソ連が勃興し失墜するまでの期間だけであった、と歴史家のエリック・ホブズボームは論じている。これに直接

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    kozakashiku 2024/06/20
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  • 書評 「WEIRD 「現代人」の奇妙な心理」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子白揚社AmazonWEIRD(ウィアード)「現代人」の奇妙な心理 下:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazon 書は文化進化研究の第一人者で「文化がヒトを進化させた」の著者でもあるジョセフ・ヘンリックによる一冊.WEIRDという書名から多くの心理学研究のサンプルが西洋諸国の大学生に偏っている問題を扱ったものかと思っていたら,そうではなく,この西洋諸国の大学生の心理傾向が,実際にとても奇妙(weird)であり,それがどのようにしてそうなったのかを説明していく大著だった.ヘンリックの説明はもちろん文化進化を主軸においているが,歴史的経緯が詳しく描かれており,読みごたえのあるに仕上がっている. 日を含む東アジアの人々にある集団主義的心理と,西

    書評 「WEIRD 「現代人」の奇妙な心理」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
  • ノア・スミス「『技術革新と不平等の1000年史』書評」(2024年2月21日)

    「人類がなしとげた記念碑的な技術的偉業に目をくらまされてはいけない」――アセモグル & ジョンソン いたるところで「2023年の最重要ビジネス書」のリストに『技術革新と不平等の1000年史』が挙がっていたのは,意外でもなんでもないだろう.まず,著者たち自身の経歴からして,比肩する者がいない.ダロン・アセモグルのことを経済学界の発電所と呼んでも,人の実績にばかばかしいほど釣り合わない: 「2005年から2020年のあいだに経済学のトップ5学術誌に掲載された著者の苗字でワードクラウドをつくるとこうなる」 それに,アセモグルは国々の発展を制度から説明する説の主要な提唱者でもある.これまでに,アセモグルは『国家はなぜ衰退するのか』やその続編の『自由の命運』(ジェイムズ・ロビンソンとの共著)という有名なで,この説を展開してきた.ぼくが「包摂的制度」や「収奪的制度」がどうのって話をしてるときには,

    ノア・スミス「『技術革新と不平等の1000年史』書評」(2024年2月21日)
  • マーク・コヤマ「制度変化において個人はどんな役割を果たすか:宗教改革におけるルターの役割」(2024年4月29日)

    社会科学研究ネットワーク(SSRN)の”the Handbook of New Institutional Economics”『新制度派経済学ハンドブック』に収録される、制度変化について扱った章を、ディシリー・ディシエルト(Desiree Desierto)との共著で書き上げた。 制度分析は個人を強調しない傾向にある。14世紀終盤から15世紀序盤にかけてのイングランドにおける農奴制の終焉といった展開は、農奴や貴族など一個人の行為や思想に左右されたものではなかった。産業革命は、ジェームズ・ワットやリチャード・アークライトを歴史から取り除いても生じただろう。制度分析の根底には、一個人よりもはるかに重要な、深層的・構造的要因が存在する、という前提がある。 重要な個人を無視するのは、経済史研究だけではない。英雄史観(Great Man Theory of History)は、学術の世界ではとっく

  • ジョセフ・ヒース「哲学者がキャンセルカルチャーを懸念すべき理由」(2024年1月25日)

    この数年、哲学の同業者たちが、オンライン上での流行りに飛びついて、様々な事柄について自身の考えを述べた学者を罰したり、脅そうとしているのを見て、私は驚き、失望してきた。少し上から目線に聞こえるかもしれないが、哲学者がこうした行動をとっているのに驚いていることを認めざるを得ない。ソクラテスの裁判と死を描いたプラトンの対話篇を最初に読んだとき、私は自然と、アテネの市民裁判官たちではなく、ソクラテスの側に感情移入した。哲学研究者のほとんども同じように感じるか、似たような原体験を持っているものだと思い込んでいた。だから、同業者の多くが、自身の考えを語ったことで糾弾されている哲学者(当初は男性が多かったが、最近は女性もいる)の側ではなく、市民裁判官の方をこぞって真似ようとしているのを見て驚いたのだ。 こうした行動の多くは、所属機関からの解雇を要求するのではなく、その人の1日を台無しにしたいだけなら、

    kozakashiku
    kozakashiku 2024/06/05
    訳しました~
  • 【私的エレカシ黄金期】『俺の道』(2003)から『町を見下ろす丘』(2006)までについて - 新・ぐうたらとんち雑記帳

    年始に行われたエレカシの武道館ライブを観に行って以来、ひさしぶりにエレカシ熱が俺の中で再燃している。 基的に物持ちの悪い俺だがライブのチケットはちゃんとファイリングしてあるので、 「エレカシ前回いつごろ観に行ったっけかな」 と何気に思って調べてみたら、もう8年近くも前のことだった。 正確には2009年の9月23日、場所はJCBホールで行われたライブであって、ザゼン・ボーイズとの対バン形式だった。 トップがザゼン・ボーイズ、トリがエレカシという順番で、宮浩次がMCで 「いやーすごかったね、ザゼン・ボーイズ!」 とかなんとか言っていたのをなんとなく覚えている。 いやあ、懐かしい。 俺はエレカシのファンである。 それは間違いないと声を大にして言える。 そんな俺がなぜエレカシのライブから8年近くも遠ざかってしまったのか。理由がある。 「♪さあ頑張ろーぜ」とか歌われる例の曲がリリースされたあたり

    【私的エレカシ黄金期】『俺の道』(2003)から『町を見下ろす丘』(2006)までについて - 新・ぐうたらとんち雑記帳
  • 人生の最後の映画館で、つまらない映画を観る話 - orangestar2

    参考: 【お金を払ったからといって、つまらない映画を最後まで観る必要はない。途中でやめる「損切り力」を身につけようって話。】1/5 pic.twitter.com/5Wv8cDbdH9— インベスターZ公式 | 全巻半額セール開催中! (@investorz_mita) 2024年5月1日 他、こういう漫画を描いてkindleで販売してます。 もしよろしければ読んでください。 を殺す仕事 現代寓話 作者:小島アジコAmazon怪物は夢を見ない 現代寓話 作者:小島アジコAmazon おまけ 死神ちゃん

    人生の最後の映画館で、つまらない映画を観る話 - orangestar2
  • 淺野良成『賛同・許容・傍観された自民党政治』 - 西東京日記 IN はてな

    ちょっと変わったタイトルのように思えますが、まさに内容を表しているタイトルです。 第2次安倍政権がなぜ長期にわたって支持されたのかという問題について、その理由を探ったになります。 書の出発点となているのは、谷口将紀『現代日の代表制民主政治』の2pで示されている次のグラフです。 グラフのちょうど真ん中の山が有権者の左右イデオロギーの分布、少し右にある山が衆議院議員の分布、そしてその頂点より右に引かれた縦の点線が安倍首相のイデオロギー的な位置であり、安倍首相が位置が有権者よりもかなり右にずれていることがわかります。また、衆議院議員の位置が右にずれているのも自民党議員が右傾化したことの影響が大きいです。 では、なぜ有権者のイデオロギー位置からずれた政権が支持されたのでしょうか? 『現代日の代表制民主政治』では、自民党の政党としての信用度、「財政・金融」、「教育・子育て」、「年金・医療」な

    淺野良成『賛同・許容・傍観された自民党政治』 - 西東京日記 IN はてな
  • 2024年春学期振り返り - Rochesterで数理政治学を学ぶ

    今期は数理政治学を履修、経済数学とミクロ経済学を聴講しつつ、もっぱら2nd-year Paperに取り組んでいた。指導教官の一人から「ほとんどの2nd-year Paperを超える論文だと思う」と言って頂けたので、それなりに有意義な学期にできたのではないかと思う。「MPSAに申し込むべきか悩んだ」という投稿を以前にしたが、MPSAを完成目標として2nd-year Paperを進めた事で通常は8月末の締切のところ4月末に一応の完成を迎える事ができ、プレゼンもそれなりに手応えを感じる事ができたので、MPSA参加は正解だったと思う。来2年生は学部から学会渡航費が支給されないのだが、指導教官の先生方が研究費から費用を出して下さったので最小限の自己負担で済んだ。論文自体も先生方のフィードバック無しには完成しなかったのは明白だし、金銭的支援までして下さって先生方には頭が上がらない。3年生になれば学部

    2024年春学期振り返り - Rochesterで数理政治学を学ぶ
  • 【読書ノート】『制度とは何か』9章から10章 - 亀の名前を考え中。

    制度とは何か──社会科学のための制度論 作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 第9章 再帰性 自然科学と社会科学のちがいは、再帰性の問題に取り組んでいるかどうかだ、という考え方がある。 再帰性とは、たとえば予言の自己成就みたいなものだ。「あの銀行は潰れそうだ」という噂が立てば、当にその銀行が潰れそうかどうかとは関係なく、不安になった預金者たちはどんどんお金を引き出していく。そして、当にその銀行は潰れてしまうのだ。これは、予測に関する再帰性だ。「こうなるだろう」と予測するからこそ、当にそうなってしまうということだ。 だけど再帰性はものごとの分類においても現れる問題だ。ピグマリオン効果というのがある。たとえば教師が「あいつはダメな学生だ」とレッテルを貼ったら、当にその学生はダメな風に振る舞うになるのだ。これは、自分が期待されてないと

    【読書ノート】『制度とは何か』9章から10章 - 亀の名前を考え中。
  • 出版ビジネス、マジでヤバい

    ここ1、2年でまたガクッと落ちた。 文章メインの書籍がぜんぜん売れない。 書店はもちろんネットでも売れない。 紙はもちろん電子も売れない。 数年前からミリオンが出なくなったけど、今や50万部も危うい。 もう誰も文章読んでない。 唯一売れているのは電子の漫画。 もうそれしか売れないので漫画をやってこなかった出版社もこぞって参入。 しかし、漫画のノウハウがないのでどこも苦戦している。 雑誌からウェブメディアに移行できるんじゃないかという目もあったけど、これも「無理」って結論が出た気がする。 どこもウェブメディアのマネタイズに苦戦している。 なので、見られる広告を試行錯誤しているけど、これが完全に逆効果。 今のところ回っているのは漫画をやっている大手か、少人数もしくは一人でやっている小出版社。 中規模の出版社がマジで苦しい。 この10年で打ち手をすべて試して、すべてダメだったという結論が出た状態

    出版ビジネス、マジでヤバい
  • 【読書ノート】『制度とは何か』7章から8章 - 亀の名前を考え中。

    制度とは何か──社会科学のための制度論 作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 第7章 読心 コーディネーションが成功するためには、全員が同じ行動ルールに従うだけでは不十分だ。というのは、ほかの人たちもその行動ルールに従うのだと確信が持てなければ、自分だけ真面目に行動ルールに従って馬鹿をみるかもしれないからだ。だから、お互いにどう動くかを信じられなければコーディネーションは成功しない。つまり、「相手の心をどうやって読むか?」ということが問題になってくるわけだ。 みんなが行動ルールに従うということを、みんなが信じている。こういうとき、なぜ「みんなが信じる」という事態が成り立つのだろうか? ひとつの説明の仕方は、その信念が公的事象に基づいているからだというものだ。たとえば、「今までもみんなその行動ルールに従ってきた」という事実(公的事象)があ

    【読書ノート】『制度とは何か』7章から8章 - 亀の名前を考え中。
  • 【読書ノート】『制度とは何か』1~4章 - 亀の名前を考え中。

    制度とは何か──社会科学のための制度論 作者:フランチェスコ・グァラ,Francesco Guala慶應義塾大学出版会Amazon 「制度」というのは一見、地味なテーマだ。 「制度って、ようするに法律とかルールとかの話なんじゃないの?」。そういう風に受け取る人はたぶん多いと思う。だけど、実は制度は社会の至るところに現れる。というか、社会そのものが制度の集合体みたいなものだ。 たとえばこうしてここに書いている「言葉」だって制度だ。言葉には文法があるし、適切な言葉遣いもある。そうした文法や言葉遣いの適切さを無視して、「うえぽいjらいだじおpふぁうろい@」と突然書き出したら言葉は言葉として機能しない。「言葉はこう使わなければならない」というルールが明文化されているわけではない。辞書や文法書はあるけれど、普通の人はそんなものなくても言葉を使うことができる。制度とは、必ずしも法律のように明文化されて

    【読書ノート】『制度とは何か』1~4章 - 亀の名前を考え中。
  • 【特集イントロダクション】社会規範への数理社会学アプローチ (大林 真也, 2017) - 読書メモ

    【特集イントロダクション】社会規範への数理社会学アプローチ (大林 真也, 2017) 論文誌『理論と方法』の社会規範特集のイントロダクションとなる論文。近年の社会学と経済学における、社会規範研究の概要をレビューしている。 どうやら近年の社会学やゲーム理論における研究では、社会規範を被説明項ではなく説明項として扱うのがトレンドらしく、私の様に、社会規範の生成から消滅までのメカニズム自体に関心がある者は亜流のようだ。(当か?) 1 イントロダクション 1.1 問題の所在 1.2 社会規範の定義 2 従来研究の整理 2.1 社会学における社会規範研究 主意主義的行為理論 (パーソンズ) 意味学派 (ガーフィンケル、ゴッフマン、サックス) 2.2 数理的研究における社会規範研究 2.3 各分野の長所・短所 3 近年の数理的研究の動向 3.1 調整問題解決あるいは均衡選択としての社会規範 3.

    【特集イントロダクション】社会規範への数理社会学アプローチ (大林 真也, 2017) - 読書メモ