今週のお題「鬼」 今週のお題「鬼」より 『鬼子母神』山岸凉子著 本作品は、山岸凉子氏による、超自然的な要素はないものの、母と子の関係を鬼子母神の寓話になぞらえて描く50ページほどの短編である。 語られる内容は、ある意味普遍的に存在し得る、恐ろしくも哀しい物語であり、傑作といえるであろう。 娘の視点で、兄は王子さま、自分は悪魔の姿、そして母親の中に時折り垣間見る異形の姿は、1年ほど先行して発表された、同じく母と娘の関係を描いた萩尾望都氏の傑作「イグアナの娘」を想起させる。 書誌情報 タイトル:山岸凉子スペシャルセレクションⅨ 鬼子母神 著 者:山岸凉子 発行日:2010年12月20日 初版発行 発行所:潮出版社