集団的自衛権の行使を認める日本の安保法案がついに参議院本会議を通過した。野党の激しい反対の中、特別委員会で安保法案を強行採決した自民・公明の連立与党は、数の優位を生かして最後の関門である本会議通過を強行し、法案を成立させた。1946年の平和憲法制定以来70年近く守ってきた「専守防衛」原則、すなわち「先に攻撃を受けない限り武力を行使しない」という原則が崩れたのだ。日本が戦争できる国になるのだ。 集団的自衛権は国連も保障する主権国家の固有の権限だ。隣国は止める名分もなく、防ぐ力もない。とはいえ韓国・中国など周辺国ではもちろん、日本国内でも反対が激しいのにはそれなりの理由がある。第2次世界大戦で言葉にできない苦しみを味わった日本人の間には、いかなる戦争にも巻き込まれないという共感が幅広く形成されている。こうした念願が集団的自衛権の行使が可能になったことで大きく傷つけられ、その怒りが市民の激烈なデ
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