【古往今来】 東日本大震災を受けて、プロ野球はセ・リーグが今月(3月)29日、パ・リーグが4月12日に“分離開幕”の予定だ。パは楽天の本拠地・仙台が被災したため、早々に開幕延期を決定。しかし、セは当初予定の3月25日開幕に固執、文部科学省のナイター自粛要請を受けて、急遽(きゅうきょ)4日間の延期を決めている。 万単位となった死者・行方不明、放射性物質漏れ、集団避難、計画停電…。国難に直面しながらのプロ野球開幕である。開幕延期を拒み、あくまで3月25日開幕を主張したセ・リーグに対し「こんな時に何を考えているのか」と世論は厳しかった。 災害に際して、よくスポーツ界は「こういう時こそ勇気や希望を与えたい」という。セの球団幹部もこの言葉を口にして、開幕延期反対の理由に挙げた。巨人・清武英利球団代表は「経済活動を停止したら日本社会は沈没するだけ。何でもかんでも自粛すればいいというものじゃない」と、開