猫は昔から船の守り神として、人間と共に海を旅していた。船内の食料や積荷を食い荒すネズミは、船にとっては大敵で、侵入してくるネズミを退治するために、かつては世界のほとんどの国の船がネコを乗船させていたといわれる。 英国では古い海上保険法で、猫を乗せることが義務付けられており、乗せていなかった貨物船は、ネズミによる被害を故意に防ごうとしなかったという理由で、貨物の損害への保険金支払いを認められなかったほどだ。 日本では、ネズミ退治はもちろんのこと、「ネコが騒げば時化、眠れば好天」「ネコは船中で必ず北を向く」などの言い伝えがあり、猫には天気の予知する能力や荒天でも方角を示す能力とがあると信じられてきた。 守り神としてはもちろんのこと、長い間家族と離れ、船の上という限られたスペースで生活をしなければならない船員らにとって、猫はマスコット的存在でもあった。 これらの古写真は、かつて船員たちと船の旅を