従来,機械学習における連続最適化の利用は,解きたい問題を線形計画,2次計画,半正定値計画など,特定の標準形に帰着させることによって内点法などの既存の高性能なソルバーを言わばブラックボックスとして使おうというものであった.一方ここ数年,スパース信号復元や圧縮センシングの流行とともに信号処理の分野でこれらの枠組みにこだわらない最適化手法が盛んに研究されている.この発表ではこの代表例として,拡張ラグランジュ法,双対分解,Forward- Backward Splitting 法,ADMM法などを取り上げ,応用例を紹介するとともにそれらの関係を議論する.これらの手法は1960年代から70年代に最適化業界で盛んに研究された古い手法であるが,実装が単純で並列化可能であり,また,問題の性質(スパース性など)をよりよく捉えたアルゴリズムとなるため信号処理だけでなく,多くの機械学習の問題に適用可能であると考