ある時期、人を殺す夢を頻繁にみていたことがあった。 僕には殺したいほど憎んでいる人はいない。僕自身が誰かに殺したいほど憎まれている可能性は否定しないけど。 もちろん僕は人を殺したことなんてないし、本物の銃だって撃ったことがない。 なんであの頃は人を殺す夢ばかりみていたのだろうと不思議に思う。 殺しの方法はたしか3種類くらい。 銃で撃ち殺すこともあれば、背後からナイフで喉を掻き切ることや石で殴り殺すこともあった。 さっきから「人を殺す夢」って書いているけど正確にいうと、実は僕が殺していたのはいつも自分自身だったんだ。 死体の顔が自分自身であること知って恐怖で目が覚める。 嫌な汗と喉の渇きと耳の奥に響く動悸。 まるで漫画みたいだって思うかもしれないけど本当の話。僕は僕自身を夢の中で何度も何度も殺していた。 夢診断や夢占いの類は全くわからないし、なんだか調べることそのものが怖かったから自分を殺す