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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • 書店でビブリオバトルをするならば

    好きなをプレゼンし、イチバンを決めるビブリオバトル。 ブックトークにゲーム性を加えた知的書評合戦は、意外なや見知らぬ読み手と出会う良い機会なり。紀伊國屋書店で参戦しているが、ひとつ残念なことがある。 それは量。 オススメできるのは一冊だけ、という縛りがある。一人5分でプレゼンし、質疑応答で2分。5人しゃべったらそれだけで35分、採決や紹介を入れると小一時間かかってしまう。 もちろん、ゲーム性のためシンプルにしているのは分かる。だが、これに出向くような好きであれば、5冊なら一目で見極めてしまう。その5冊から幸せな出会いがあるかもしれないが、もっと膨らませることはできないだろうか。分母を増やすことで、出会いの確率を上げられないだろうか。 そこで提案。 テーマ毎に5人の参戦者が5冊のオススメを持ってくるのなら、+αしてみてはどうだろう。つまり、「このテーマでそのなら、これなんていかが?」

    書店でビブリオバトルをするならば
  • さよなら、日経

    ようやく、「リーマン日経」の呪縛を解くことができる。 「社会人になったら、ニッケイ・ヨクヨム」と呪文をかけられ幾年月。半導体は日の魂とか、(アメリカン・スタンダードという名の)グローバルスタンダードとか、中国ワッショイとか、いろいろ吹き込まれましたな。日経新聞だけでなく、日経ビジネスとか日経コンピュータとか日経コミュニケーションズとか、たくさん貢ぎましたな。 その結果→職場や会議卓で「話を合わせる」役にはたった。 ビジネスのヒントや、業界の動向や、はたまた日経済の先行きは、すでに新聞よりもRSS+クオリティ紙で充分。具体的には、「ニューズウィーク」「クーリエ・ジャポン」「フォーリン・アフェアーズ」になる([経緯])。「出勤途上で新聞に目を通す」という習慣は、とうの昔にやめた。車内を見渡してみて、あらためて気づく、新聞読んでる人は珍しい部類に入る(リクルートスーツ姿の人が読んでいるのは常

    さよなら、日経
    kunimiya
    kunimiya 2010/08/30
  • 「フォーサイト」の次は、これに決めた!

    新潮社のフォーサイトが休刊するにあたり、代替を探していた[URL]。たくさんの有益なアドバイスをいただき、とても感謝しています。リサーチと呻吟の結果、以下の雑誌を定期購読することに。 フォーリン・アフェアーズ・リポート COURRiER Japon まず、フォーリン・アフェアーズ、これはスゴい。アメリカの外交問題評議会によって創刊された外交・国際政治専門誌で、最も影響力のあるそうな[Wikipedeia:フォーリン・アフェアーズ]。「フォーサイト」でいうなら、巻頭リポートに相当するネタが3倍入っている。さらに、ホット・イシューに対応する「特集」が3-4の論文、フォーラム、対談形式で集められている。マネジメント層(しかもかなり上の)での政策決定の材料として充分。 たとえば今号(2010年1月)の「中国の台頭の戦略的意味合い」を読むと、中国をステレオタイプに描く日経○○との差が際立つ。中国

    「フォーサイト」の次は、これに決めた!
  • 人類を救うためのトリアージ「五〇〇億ドルでできること」

    ヒステリックな学者や、不安を煽るだけのマスコミに読ませたい一冊。 「待ったなし」と表現される問題がある。地球環境、水資源や糧の枯渇、飢餓と貧困、感染症の拡大などがそうだろう。しかし、「待ったなし」と言われてから、いったい何年、何十年経過しているだろうか? いや、こうした問題に取りくむ人々や組織・機関がサボってたわけではない。割り当てられた資源のなかでやりくりしながらそれぞれの責務を果たしてきたはずだ。では、どうしてこうした問題の解決が遅々としているのだろうか? 資源が足りない?足りないのはどの問題も同じ。むしろ、問題に応じて割り当てられていないため、効果的に活用されていないのではないか。そのときの風潮を受け、場当たり的に資源の逐次的投入をしてきたためではないか──書を読むと、そう考えるようになる。 世界のためにあと500億ドル使えるとしたら、どの問題から解決するべきか?一流の経済学者た

    人類を救うためのトリアージ「五〇〇億ドルでできること」
  • 愛書家へのプレゼント「図書館 愛書家の楽園」

    古今東西の図書の蓄積に関する薀蓄がぎっしり。 「図書館」というお題であるものの、公的施設に限らない。個人的な蔵書、私設ライブラリーも、「愛書家の楽園」であることに変わりないから。図書館というよりは、図書室、しかも、シンと静まりかえった夜の図書室がお似合いかも。 夜もふけて棚の前に立つとき、目になじんだ背表紙が語りかけてくる。それは、入手したいきさつや、書名からつむぎだされる連想、読了したときの感動を呼び起こす。さらに、そこに仲間入りさせたい「ほしい」の装丁を想像し、ならべ方は著者順がいいのか関連性を重視すべきなのか、独り思いめぐらす。 そうなんだ、原書のタイトルは "The Library at Night" といって、深夜に棚の前に立ったときの、あの静けさと饒舌さそのままがエッセイとなっている。もちろんその "The Library" とは、スタートは著者マングェルの図書室になる。

    愛書家へのプレゼント「図書館 愛書家の楽園」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学生必読「理科系の作文技術」

    文系理系は無関係、学生は全員読め。もう一度いう、学生は必ず読め。 「上から目線」だの「えらそう」だの批判上等(ご指摘の通りだから)。その上で重ねて言う、必ず読め。かくいうわたしは、そう言ってくれる先達がいなかった。ゼミ発表やビジネス文書で「揉まれて」身に着けた我流の技術なので、心もとないことおびただしい。 今では論文・レポートの作成技術に関するは沢山あるが、コンパクトな新書にここまで丁寧+徹底して「学生のレポート」に特化したものはない。「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」の第8位で、この手のランキングに必ず書が入っているところに、センセ方の苦労がしのばれる。 もちろん、ライティングの手ほどきを受けている方なら、「あたりまえ」のことばかり。しかし、その「あたりまえ」がないことでどれだけコミュニケーション・ロスが発生しているかゾッとさせられる。 たとえば、「事実と

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学生必読「理科系の作文技術」
  • スゴい書斎とはこれだ「この人の書斎が見たい!」

    PLAYBOYの4月号でナイスな特集をやっている。「この人の書斎が見たい !」だ。見たい見たいと思っていた著名人の書斎と棚が惜しげもなく晒されている。棚と書斎とに関するウンチクがみっちり詰まっている。 石田衣良 ピーター・バラカン 鹿島茂 高野孟 内田樹 立川志らく 吉田司 林望 佐野眞一 中平穂積 谷沢永一 吉隆明 徳大寺有恒 海外勢だと、インタビューはないものの、そうそうたる面子の書斎や書架が拝める。ガルシア・マルケス ミシェル・フーコー ジョン・アーヴィング ウラジミール・ナボコフ カート・ヴォネガット イアン・フレミング サルマン・ラシュディ ギュンター・グラス 男性誌だからなのか、女性陣の書斎がないのが残念。猪口邦子や上野千鶴子あたりの「書斎」はかなり興味がある。シュミ丸出しの書架を前に「らめぇ~」とかいってる女史を想像すると、ちょいと萌える(「男の書斎術」とか銘打ってい

    スゴい書斎とはこれだ「この人の書斎が見たい!」
  • 「アジャイルプラクティス」はスゴ本

    marsさんが、「システム開発に関わる人はみんな読めー」と強力にオススメするにつられて読む。これはスゴ。marsさん、良いを教えていただき、ありがとうございます。 ■ どんな? 書は、開発現場で培われた「成果を出す習慣」を、45のプラクティスとして紹介している。開発速度を大幅に上げたり、高速納期を目指すような、「アジャイル開発プロセス」という決まったやり方は、存在しない。アジャイルな開発とは、現場でのさまざまな活動をアジャイルにしていく――つまり、変化に適応することを継続させていく―― 「習慣」だということに気づく。協調性+フィードバックによるプラクティスは、あまりにもあたりまえすぎて見過ごされがちかと。その反面、意識して実践するならばこれほど心強い金棒はないだろう。 ■ 忘れがちな基中の基「成果をあげるのが仕事」 面白いのは、「悪魔の囁き」と「天使の導き」との間で揺れ動く「感

    「アジャイルプラクティス」はスゴ本
    kunimiya
    kunimiya 2008/02/15
    アジャイル開発のTips集『アジャイルプラクティス』の書評を、自身の経験を交えつつ紹介している。アジャイル開発の手法は万能の問題解決手法ではなく、あくまでも習慣であるというのが本書の理念らしい。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 図書館で夢をかなえた人々

    結婚前までアンチ図書館派だった。は買って読むものであって、身銭を切ってこそ選書眼も養われるというもの。金なくば費を削れ、餓えて読め、というのが信条だった。 それが、図書館ヘビーユーザーの嫁さんの影響を受け、図書館主義者になった。書店の棚はコマーシャリズムに汚濁されたノイズまみれ。自分でを探せない奴が屋を徘徊する、などとうそぶく。180度転向の経緯は[ここ]に書いた。 探す: 都内の図書館を横断的にネットで検索[これ]する。当面読みたいは近所の図書館でたいてい手に入る。どうしてもという場合は国会図書館から取り寄せてもらう。 予約: 実は複数のアカウントを持っている。住んでるところ、勤務先、通勤ルートと複数の区をまたがるため、それぞれなじみの図書館がある。予約は全てネット。巡回先で嗅ぎつけたや、積読リストの上位から予約枠を埋める。確保できたらメールが入るという仕掛けなので、早い場合

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 図書館で夢をかなえた人々
    kunimiya
    kunimiya 2007/02/28
    『未来をつくる図書館』はおすすめ
  • 最もオライリー本っぽくない「アンビエント・ファインダビリティ」には、たくさん考えさせられた

    おそらく、このblogの読者の皆さんは経験したことがないだろうが、わたしは、google 検索結果に大泣きしたことがある。ただのツールに過ぎないと思っていたgoogle に、そのときは心底感謝したものだ。 事の起こりは、ある電話から始まった。わたしの大切な人が倒れたという。駆けつけると、その人は目を見開いてただ横たわっているだけで、こちらの呼びかけに応えられないようだ。脳梗塞を疑ったが、医師によると、ギラン・バレー症候群だという。 医師はそれなりに勉強してきたようで、症状・療法・後遺症、そして治る可能性と死ぬ可能性を、それぞれ数値を挙げて説明してくれた。 医師のもとを辞したとき、わたしの目の前は混乱と恐怖だけあった。説明されたことは理解できたし(理解できるような言葉を選んでくれた)、理解したことはちゃんとメモってある(病名のつづり、療法、薬)。それでも何をすればいいのか、そもそもなんでこん

    最もオライリー本っぽくない「アンビエント・ファインダビリティ」には、たくさん考えさせられた
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