好評のうちに全3回の連載を終えた『菊地成孔の北欧料理店巡り』。音楽家 / 著述家であると同時に、美食の快楽も知る彼は、未開拓の「北欧料理」を堪能しながら、どんなことを考え、何を思いながら文章を書き綴ったのだろうか。その「総括編」となる今回のインタビューでは、実際に体験した北欧料理の印象から、「食」をめぐる東京の現在、果てはSNSの登場によって変質した人々の感性、さらには自身の特徴的な文体とそのルーツや意図するものについてまで、縦横無尽に語ってもらった。 北欧はIKEAによって、ただ寒い国じゃないのがわかってきた。それでも、「食」に関しては、遅れてましたよね。 —『菊地成孔の北欧料理店巡り』全3回が終了しました。まずは3軒回った感想からお願いします。 菊地:いまは、これだけインターネットによるグローバリゼーションが進んでいるわけですけど、相変わらず日本人は、ヨーロッパっていうのは、イギリスと