イスラエル北部にあるキブツで五旬節に踊る女性たち(1949年) Photo: UPI / Bettmann Archive /Getty Images 10月7日、イスラエルを急襲したハマスの武装勢力は、パレスチナ自治区ガザとの境界近くにある「キブツ」として知られる複数の共同体にも侵入した。イスラエル南部の伝統的なコミューンであるキブツ・ベエリがとくに大きな被害をうけ、100人以上の遺体が回収された。 キブツはイスラエル建国の基礎となる役目を果たし、同国の歴史においていまなお極めて象徴的な位置を占めている。イスラエルに固有の組織された共同体であるキブツはかつて、集産主義的な文化と農耕中心の暮らしぶりで知られていた。ただしその大半は私営化されて久しい。 そうした共同体の多くがいまや悲劇の代名詞になりつつあるとはいえ、キブツは、歴史上で最も成功した社会主義実験のひとつとしての遺産を保っている。