ブックマーク / gendai.media (426)

  • 元経済ヤクザが明かす、人工知能との「仁義なき投資戦争」の壮絶現場(猫組長(菅原潮)) @gendai_biz

    米中はいま、経済戦争の余波を受けてリセッション(景気後退局面)に向けてチキンレースの真っ最中だ。資金の逃避地として日の金融市場にマネーが流れてくるのか、あるいはアメリカ市場に引きずられて下り坂に入るのか――いずれにせよ、間もなく日株市場が乱高下する時期がやってくるのは間違いないと私は考えている。 実は、そんな時こそ株式投資の大チャンスだ。しかし現在の株式市場を支配しているのは、人間ではなく忌まわしきAIである。 私は投資集団「組」を率いて日々AIを相手に熾烈な株戦争を戦っているが、人工知能アルゴリズムの戦いの果てに、私がたどり着いた投資術は意外なものだった。 株式市場は荒れる。だから、私の出番だ 昨年末にかけてIMF(国際通貨基金)と世界銀行は、19年の中国の成長率は6.2%になるとの見通しを発表した。これは、天安門事件で経済制裁を受けた1990年の中国と同じ水準だ。また、3月5日に

    元経済ヤクザが明かす、人工知能との「仁義なき投資戦争」の壮絶現場(猫組長(菅原潮)) @gendai_biz
  • 人間爆弾・桜花を発案した男の「あまりに過酷なその後の人生」(神立 尚紀) @gendai_biz

    「桜花」――まもなく満開となる桜のことではない。戦時中の日軍の非常さを象徴する、生還不能の特攻兵器につけられた名である。大型爆弾に操縦席と翼、ロケットをつけ、母機から放された瞬間に搭乗員の死が約束されるこの兵器は、敵の米軍にとって理解不能だったようで、彼らは「Baka Bomb(馬鹿爆弾)」と呼んでいた。 この兵器を発案した男は、終戦直後に死亡したとされたが、生存説もささやかれ、長らくその消息は謎に包まれていた。だが、5年前、遺族から神立さんへ一報があり、戦後、別人として生きてきた詳細な軌跡が判明する。 「特攻兵器『桜花』の生みの親」という過去を消し去って生きた男は、どのような後半生を送っていたのか? 特攻兵器「桜花」の初陣は全機撃墜された いまから74年前、昭和20(1945)年3月21日午前11時20分。鹿児島県の鹿屋海軍航空基地から、「神雷(じんらい)部隊」の異名をもつ第七二一海軍

    人間爆弾・桜花を発案した男の「あまりに過酷なその後の人生」(神立 尚紀) @gendai_biz
  • 中国の「爆速成長」に憧れる〈中華未来主義〉という奇怪な思想(水嶋 一憲) @gendai_biz

    民主主義が衰退し、中華未来主義が台頭する 「俺は未来から来た。お前は中国に行くべきだ。」 これは、タイムトラベル設定のSFスリラー『LOOPER/ルーパー』(ライアン・ジョンソン監督、2012年)のなかで、30年後の未来から送り込まれてきた犯罪組織の上司が、主人公の殺し屋(通称・ルーパー)に投げかけるセリフだ。 のちに組織を裏切った主人公は、この助言に従うかのように、中国のグローバル・シティ、上海に移り住むことになる――いまいるアメリカに留まるのでも、かねてから念願だったフランスに行くのでもなく。 かつてアメリカ政治学者フランシス・フクヤマは、冷戦終結後の世界を自由民主主義(リベラル・デモクラシー)が最終的に勝利した「歴史の終わり」としてとらえた。ところが、トランプ大統領の誕生後に行われたインタヴュー(「「歴史の終わり」を唱えた人物が、民主主義の未来を恐れている」 )では、25年前の自分

    中国の「爆速成長」に憧れる〈中華未来主義〉という奇怪な思想(水嶋 一憲) @gendai_biz
  • なぜ「小室圭さんは、いくら叩いても構わない」風潮が生まれたのか(御田寺 圭) @gendai_biz

    国民の心証を損ねたから? 2018年10月に皇室を離れ、日郵船社員の守谷慧さんとご結婚された高円宮家の三女絢子さま。お二人のご結婚に際し、一時金として1億675万円が支給された。これは「元皇族としての品位を保つため」に国から支給されるもので、1億675万円は現行法における上限額である。 世間ではお二人のご結婚を祝う声が多く聞かれたが、音と建前が交錯するインターネットでは、そうした祝賀ムードとはまるで異なる声も漏れ聞こえた。たとえば大手ニュースサイトのコメント欄では、こんな具合だ。 〈いままではスルーしていたけど、小室ナンタラの登場でこの制度にも疑問を持つようになった〉 〈守谷さんの収入があればこの一時金は必要でないであろうが、問題のもう一組の相手は明らかにこのお金目当て。あっという間に遊興費で消えてしまう〉 (Yahoo!ニュース「絢子さまに一時金1億675万円=守谷さんと結婚で―皇室

    なぜ「小室圭さんは、いくら叩いても構わない」風潮が生まれたのか(御田寺 圭) @gendai_biz
  • 孤児院で育ち両親を知らない…『CoCo壱番屋』創業者の壮絶人生 (週刊現代) @gendai_biz

    無私の人である。自分のために稼ぎたいと思ったことがない。趣味はないと断言もする。何が楽しいのかを聞くと、「人の笑顔」と即答する。この稀有な成功者はいったい何者か。日発売の『週刊現代』で、その激動の半生を振り返る。 電気代も払えなかった 『カレーハウスCoCo壱番屋』を創業し、日一のカレー専門店チェーンに育て上げた宗次德二氏(70歳)は、自分の生まれた場所を知らない。 「私は1948年、石川県で生まれたらしいんです。戸籍上ではそうなっています。しかし、物心がついたのは、兵庫県尼崎の孤児院。今も実の両親は知りません。 私が3歳のときに、尼崎で雑貨屋をしていた宗次夫婦が引き取ってくれました。資産家とはいかないまでも、当時は貸家を持っていましたし、施設のほうもいいところだと思って、送り出したのだと思います。 実際、引き取られた直後に写真館で撮った家族写真が残っています。私はスーツを着せられ、和

    孤児院で育ち両親を知らない…『CoCo壱番屋』創業者の壮絶人生 (週刊現代) @gendai_biz
  • ミレニアル世代を魅了する奇妙な音楽「ヴェイパーウェイブ」とは何か(木澤 佐登志) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    ヴェイパーウェイヴ(Vaporwave)と呼ばれる音楽ジャンルがある。インターネット上で生まれたこの音楽は、ネットの海を回遊しながら様々なサブジャンルを生み出してきた。 2010年代に誕生したこの音楽ジャンルを特徴付けるのは「ノスタルジア」の感覚だ。 ヴェイパーウェイブは、その蒸気(vapor)の魔力によって80年代〜90年代生まれのミレニアル世代を惹きつけ、ついには一部のオルタナ右翼をも魅了するに至る。もはや輝かしい将来を想像すらできず、未来を「喪失」としか捉えることができない人々に向けて、心地いいノスタルジアの癒しを提供している、とも考えられる。 この記事では、ヴェイパーウェイヴを通して現在のアメリカ社会を覆うノスタルジアの問題について考えたい。 「商業BGM」への異様なこだわり ヴェイパーウェイヴは2011年頃を境に音楽ダウンロード販売サイトBandcampやソーシャルメディア/掲示

    ミレニアル世代を魅了する奇妙な音楽「ヴェイパーウェイブ」とは何か(木澤 佐登志) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
  • 社会に出てから医学部に入る「再受験生」が増えているワケ(原田 広幸) @gendai_biz

    かなりの狭き門だが… 「再受験生」という言葉を聞いたことがあるだろうか。 昨今、医学部の再受験生が、増えているという。 大学や専門学校を卒業し、その後社会に出てから、一旦入学・卒業した学部とは異なる学部学科を目指して再び受験勉強を始める「再受験生」は、昔からわずかながら存在した。 その多くは、特定の学部で勉強しなければ国家試験に受かることが難しい、裁判官や弁護士、公認会計士、医師(受験資格として医学部の卒業が必要)などの専門職に就きたい人たちだ。 一般的に大学入学後に進路を変えたい人は、大学卒業(学士)を要件とする「学士編入試験」や、1、2年次の教養課程や一定の科目の単位取得を要件とする「一般編入試験」を通じて3年次から入学することを目指す人が多い。この「編入ルート」で大学に入り直すと、再受験よりも短い期間で、2回目の大学生活を終えられる。 医学部にも、学士編入や一般編入のルートは存在する

    社会に出てから医学部に入る「再受験生」が増えているワケ(原田 広幸) @gendai_biz
  • 欧米を揺るがす「インテレクチュアル・ダークウェブ」のヤバい存在感(木澤 佐登志) @gendai_biz

    人権や平等といったリベラルが重視する価値の「虚妄」を、「科学的エビデンス」の名の下に暴く(と称する)知的ネットワークが、欧米社会に勃興した。彼らはどんな出自を持ち、何を主張しているのか。 ネットカルチャーに詳しく、このほど『ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』を上梓した文筆家の木澤佐登志氏による、最前線からの報告をお届けする。 ネットに遍在する「ダーク」な言論人たち 「ダーク」な思想が欧米を席巻しつつある。「右」でも「左」でもない、「ダーク」な思想の台頭。このことは、現在の欧米社会にとって何を意味しているのだろうか。 インテレクチュアル・ダークウェブ(Intellectual Dark Web:以下I.D.Wと表記)なる知的ネットワークが存在している。インターネット上で「アンチ・リベラル」な主張を展開する(元)学者や言論人のネットワークのことだ。 ダー

    欧米を揺るがす「インテレクチュアル・ダークウェブ」のヤバい存在感(木澤 佐登志) @gendai_biz
  • なぜイギリス人の「階級への執着」は産業革命後に生まれたのか(河野 真太郎)

    前回は、一億総中流の崩壊にともない「階級社会化」が進む日において、改めて階級について考えることの重要性を示唆し、階級社会としての歴史が深いイギリスに学ぶべきことを総論的にまとめた(詳しくは第1回前編・後編の記事参照)。今回は、なぜイギリスでかくも細分化された階級意識が発達したのか、著名なイギリス人作家であるジョージ・オーウェルを入り口に紐解いていこう。 ジョージ・オーウェルと、ある階級の肖像 ジョージ・オーウェルといえば、スターリニズムを風刺した『動物農場』(1945年)や、全体主義国家と化した近未来のイギリスを舞台とする『1984年』(1949年)で知られるイギリスの作家である。 一方、これらの作品から反全体主義のリベラルな作家だと思われがちなオーウェルが、戦前の1930年代には「階級」をテーマとするさまざまな作品を書いていることは、愛好家や専門家以外には意外と知られていないかもしれな

    なぜイギリス人の「階級への執着」は産業革命後に生まれたのか(河野 真太郎)
  • 「新聞はデマだらけ」言説は、80年代保守論壇ですでに大流行だった(藤田 直哉) @gendai_biz

    1984年の『諸君!』を読む 「デマだ」という主張そのものが「デマ」であるケースを、現在ではよく見かける。 このようなデマのうち、一番ネット上で多く見かけるのは「朝日新聞はデマ新聞」のような意見だろう。左派・リベラルだと思われたメディアがネガティヴな報道を行うと「デマ」「捏造」と決めつける人々がたくさん現れるのは、日々のネット上の当たり前の風景になっている。 たとえば森友学園問題のときに、「朝日新聞はデマ新聞」だと主張し、捏造だと主張し続けている人々がたくさんいたことは記憶に新しいだろう。 その中に、普段放射性物質に関するデマを糾弾している科学者も含まれているのを見て、暗澹たる思いに囚われたことをよく覚えている。後に朝日新聞が様々な証拠を公表し、調査が進んでいくにつれて、それがデマではなかったことが明らかになっていると思う(嘘をつき書類を捏造していたのは、財務省などの側であった)。 これは

    「新聞はデマだらけ」言説は、80年代保守論壇ですでに大流行だった(藤田 直哉) @gendai_biz
  • ありふれた「珈琲屋」の風景は世界に類を見ない日本独自の文化だった(旦部 幸博)

    今年、「商品作物としてのコーヒーノキの伝播と消費国におけるコーヒー飲用の歴史を、世界的規模で通観した力作」として、『珈琲の世界史』(講談社現代新書)が、第9回辻静雄文化賞を受賞した。その著者・旦部幸博氏が、「コーヒーの日史」の面白さに迫る。 美味しいという噂を聞きつけて、足を伸ばしたコーヒー専門店。少し緊張した面持ちで扉をくぐってカウンター席に腰掛け、メニューを眺めて悩むことしばし、「マンデリンを」と注文する。 何となくやり遂げた気持ちになりながら、カウンターの奥に目をやると、コーヒーサーバーの上にセットされたネル(布袋)は、使い込まれたコーヒー色。豆を挽くミルの音。 マスターが自然な所作で、ドリップポットから銀糸のように湯を注ぎはじめる…… そんな、決して珍しくはない、ありふれた「珈琲屋」の風景。じつは、これが世界に類を見ない日独自の文化だったことを、あなたはご存知だろうか? コー

    ありふれた「珈琲屋」の風景は世界に類を見ない日本独自の文化だった(旦部 幸博)
  • 異性と関わりたくない…ハラスメントが拡大する「快適な社会」の代償(御田寺 圭) @gendai_biz

    現実化する「ハラミ会」 2018年11月ごろのことだ。インターネットで突如として「ハラミ会」なるワードが大きな話題となった。「ハラミ」の単語から連想されたかもしれないが、焼肉を楽しむ同好会のことではない。 ハラミ会の正体とは、『モトカレマニア』(瀧波ユカリ著)という漫画のワンシーンに登場した「ハラスメントを未然に防ぐ会」のことだ。女性と事や酒の席を設けてうっかりセクハラをしてしまうことをなくすため、女性を交えての会合そのものを行わない男性会社員のグループが、そのように自称している。 「ハラミ会」のメンバーである男たちの過剰反応ともいえる滑稽な姿は、「セクハラに敏感な社会」を皮肉ったフィクションのように受け止められたようだ。しかしこれはけっして笑いごとではなく、いま実際に社会はフィクションを追い越しつつある。 現代社会では、人々はあまり深い関係でない他者のことを、社会的・経済的な観点から「

    異性と関わりたくない…ハラスメントが拡大する「快適な社会」の代償(御田寺 圭) @gendai_biz
  • 「スピリチュアル女子」をあざ笑うすべての人に言いたいこと(小池 みき) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    それは面白おかしい“トンデモ”案件か 先日Twitterを眺めていたら、十数万人のフォロワーを抱える人気ライターのツイートが目に入った。 彼は「壱岐が面白いことになっている」といったコメントとともに、最近長崎県壱岐市で起きた、女性向けスピリチュアルビジネスがらみの騒動に触れていた。 10月、壱岐で大規模かつ高額のスピリチュアルイベント「縄文祭」が開催され物議を呼んだこと。その主催者であるブロガー・Happy氏や周囲のスピリチュアルリーダーたちが、奇抜な思想や主張――たとえば「引き寄せ」や「子宮系」――の持ち主であること。なおかつ、Happy氏が壱岐の観光大使にまで任命されていること……。 それらの紹介として、スピリチュアル界隈のネタを扱うブログ記事へのリンクも貼ってあった。 ちなみにそのブログは、「タレント○○は韓国人なのか」といったアクセス数狙いの国籍検証や、出典のわからない著名人のゴシ

    「スピリチュアル女子」をあざ笑うすべての人に言いたいこと(小池 みき) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
  • 眠っていた「ゴジラ・ビジネス」がいまブレイクした理由(佐々木 俊尚) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)

    2014年にはハリウッド版『GODZILLA』、2016年には『シン・ゴジラ』が大ヒット。新宿のホテルに作られた「ゴジラヘッド」なる等身大ゴジラの頭は新宿のシンボルになり、渋谷PARCO取り壊しのときにもゴジラが襲来。キャラクターショップでは月商1000万円を超え、しかも新たに「ちびゴジラ」なるキャラクターまで登場している。 ハリウッド版は2019年、2020年と公開が予定されており、2019年5月公開予定の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の期待値は高まる一方。2020年の『ゴジラVSコング(仮題)』には小栗旬が出演することも報じられて話題を呼んでいる。 さすが、国民的怪獣「ゴジラ」――と言いたくなるが、実は1954年に誕生したゴジラが「キャラクタービジネス」としてここまで活発になったのは、ここ数年のことなのだという。ジャーナリストの佐々木俊尚さんがその背景に迫った。 1954年11

    眠っていた「ゴジラ・ビジネス」がいまブレイクした理由(佐々木 俊尚) | 現代ビジネス | 講談社(1/5)
    kybernetes
    kybernetes 2018/11/29
    チーフ・ゴジラ・オフィサー
  • 雇用改善の恩恵もナシ…国が放置する「中年フリーター」という大問題(小林 美希) | 現代新書 | 講談社(1/4)

    かつての就職率の低さがウソのように、近年、新卒の就職市場は大きく改善した。 目下、日を悩ませている社会問題はむしろ「人手不足」だ。政府は高齢者の雇用継続はもちろん、人手不足を補うための「移民政策」にも格的に取り組み始めた。 しかし社会全体の雇用状況が改善するなか、正規の仕事を切望しても得られない「取り残された」人々がいる。就職氷河期に就活をして大きな割りをった「中年フリーター」だ。彼らは相変わらず政策的な手当てをされないままでいる。 「ロスジェネ」と言われるこの世代は、10年以上前から状況の改善を求めて声をあげてきた。しかし、『ルポ 中年フリーター』(NHK出版新書)を上梓したジャーナリストの小林美希氏によれば、彼らは近年、長きに渡って状況が改善しないことに絶望し、あきらめの境地に入りつつあるという。 なぜ自分たちだけがーーそんな思いを抱えた中年フリーターの絶望と諦念、そして、彼らを

    雇用改善の恩恵もナシ…国が放置する「中年フリーター」という大問題(小林 美希) | 現代新書 | 講談社(1/4)
  • ノムさんの告白「沙知代よ、君がいない毎日は本当につまらなくて」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)

    どんな夫婦にも、やがて離別の日はやってくるもの。球界屈指の愛家だったこの人も、その現実に直面した一人だ。の一周忌を目の前に、いま何を思い、どう生きているのか。ありのままを語る。 何もできない男が独り ・沙知代が虚血性心不全で倒れ、85歳でこの世を去ってから、早いものでもうすぐ1年になる。 だだっ広い家で独り過ごしていると、ふとした瞬間に、あの日のことを思い出す。 忘れもしない昨年の12月8日、寒い日だった。 「大変です。奥様の様子が……」 昼過ぎにリビングでテレビを見ていたら、お手伝いさんが飛んできた。慌ててダイニングに行くと、事中の彼女が、座ったまま頭をテーブルにつけている。 「どうした?」と聞いて背中をさすってやると、一言、「大丈夫よ」と言ったきり動かない。彼女はどんなときも前向きで弱音を一切吐かない人だったけれど、まさかあれが最期の言葉になるとは思わなかった。 慌てて119番

    ノムさんの告白「沙知代よ、君がいない毎日は本当につまらなくて」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)
  • 戦艦大和「特攻」の大失敗にみる、「忖度」の本質(菊澤 研宗) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

    「空気」という言葉の悪用 かつて、山七平は日人組織の特徴として「空気」による決定に注目した。なぜ日は勝ち目のない戦争に向かったのか。なぜ無意味な戦艦大和の沖縄特攻が実行されたのか。いずれも、「空気」に支配され、「空気」が最終決定者だった、という。 この同じ現象が、今でも起こっている。今年、注目された「忖度」という言葉は、実はこの「空気」という言葉と密接に関係している。 国有地の取引をめぐって首相夫人に相談したと主張する籠池氏。首相あるいは首相夫人の気持ちをめぐって不思議な力が働き、それを忖度して官僚が動いたと主張した。つまり、「空気」が存在し、それに官僚が動かされ、異常に安い値段で国有地が購入できたというわけである。 もしこのように最終決定者が人ではなく「空気」ならば、だれも責任を追及できない。もうこれ以上、議論の余地はないのである。こうして、空気論は無責任論へと行きつく。 このこと

    戦艦大和「特攻」の大失敗にみる、「忖度」の本質(菊澤 研宗) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
  • 日本で「ブラック保育所」が次々と生まれる絶望的な構造(小林 美希) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

    秋の保育所見学シーズンがやってきた。 来年4月に保育所に子どもを預けるには、今年11月から年末にかけて申し込みの締め切りとなる。 子どもを預けたい保育所かどうか。保育士の労働実態に目を向けなければ、その保育所の真実の姿は分からない。保育士にどれだけきちんと人件費をかけているかで保育内容が左右されると言っても過言ではない。 ここでは、「やりがい搾取」を許してしまう、保育所の運営費用の使途制限を緩和した「委託費の弾力運用」という制度に着目。『ルポ 保育格差』などの著者でジャーナリストの小林美希氏による短期集中レポートをお届けする。 「大手で安心」から地獄へ… 「あんなに憧れていた保育士なのに……。働けなくなって今、生活保護を申請するような状況になりました」 保育所を運営する株式会社の大手に就職した斉藤理香さん(仮名)は、過酷な労働環境に耐えられず、わずか2年の間にメンタルヘルスを崩し、働くこと

    日本で「ブラック保育所」が次々と生まれる絶望的な構造(小林 美希) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
  • 大規模調査でわかった、ネットに「極論」ばかり出回る本当の理由(山口 真一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)

    「ネットを使うほど、人は極端になる」は当か 「現代社会で進む分断の大きな原因は、インターネットやSNSである」というクリシェがある。しかし、そうした直感に真っ向から反する「ネットは社会を分断しない」という研究結果が話題だ1。 慶應義塾大学の田中辰雄氏らの実証研究によると、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディア利用は、ユーザの「意見の極端化」に影響を与えていないという。一方で田中氏らは、「テレビニュースの視聴者は極端な意見を持つようになる」とも指摘しており、興味深い。 この研究では、それだけでなく、ネットユーザが自分と意見の異なるユーザも少なからずフォローする傾向にあることが分かった。具体的には、フォローしている人の3割以上は、自分と反対の主張をしている人で占められているとのことである。実は、このような研究結果は、海外の実証研究でも示されている2。 つまり、従来から言われ

    大規模調査でわかった、ネットに「極論」ばかり出回る本当の理由(山口 真一) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
  • イギリスのアンダークラス=チャヴの出現は「過酷な階級化」の序章だ(河野 真太郎) | 現代新書 | 講談社(1/4)

    「チャヴ」と緊縮財政 なぜ2000年代になってチャヴという人種がメディアを賑わせるようになったのだろうか。ひとつには、単に、労働者階級でさえない新たなアンダークラスがイギリスに生じているという事実があり、それをチャヴという類型が代表しているということであろう。 ただし、チャヴがアンダークラスであっても、アンダークラスがすべてチャヴであるわけではない。 では、なぜほかならぬチャヴがアンダークラスを代表したのか?その理由を考えるためには、この言葉の流行のもうひとつの側面を見なければならない。これについては、イギリスの若き社会評論家オーウェン・ジョーンズの著書『チャヴ──弱者を敵視する社会』(依田卓巳訳、海と月社、2017年)に詳しい。 ジョーンズによれば、チャヴという言葉はとりわけ2010年以降のイギリス保守党の緊縮政策(とりわけ福祉のカット)において利用された。保守党はチャヴと呼ばれる種類の

    イギリスのアンダークラス=チャヴの出現は「過酷な階級化」の序章だ(河野 真太郎) | 現代新書 | 講談社(1/4)