ブックマーク / hallucinyan.hatenablog.com (7)

  • ドラッグカルチャーの系譜――変性意識の文化史 - A Mental Hell’s Angel

    2015-01-11 ドラッグカルチャーの系譜――変性意識の文化史 以下、ドラッグとそれに付帯する文化について記述しています。サブカルチャーにおいてドラッグが大きな役割を果たしてきただけでなく、それが人類において古くから文化的に重要であったことが論じられています。 ーーー ドラッグとは何か ドラッグとは何でしょうか。それはもちろん薬物です。そしてそれは使用者をある特異な心的ステートへと導くマテリアルです。そうした祝祭的な心理状態を「変性意識状態」(英: Altered state of consciousness)と呼びます。可換な表現としてトランス状態という語があります。 変性意識と古代宗教 変性意識誘発性サブスタンスは、古来より人類の文化に根ざしていました。たとえば、シャーマンなどの宗教儀礼において、タバコやマジックマッシュルーム、ペヨトルなどが使用されてきたことは歴史学的な事実です。

  • セカイ系以後の生存の技法――ファウスト系はどうサヴァイヴしたか - A Mental Hell’s Angel

    セカイ系というものがあった。ファウスト系というものがあった。懐かしい。しかしそれらがきちんと総括されたかといえば、個人的に、疑問である。したがって、いちおう自分なりの解釈を書いてみた。 まず滝竜彦の話から始め、舞城王太郎、佐藤友哉に少し触れ、西尾維新について論じ、文芸批評的に総括した上で、最後に現代のアニメーションについてのサブカルチャー批評を付記した。 それでは滝竜彦について。 滝竜彦は『ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ』でデビューし、『NHKにようこそ!』で一躍人気作家となった元ひきこもり小説家である。 現在の彼はスピリチュアリティに傾倒している。それを「あー滝さんついにそうなっちゃったかー」という冷ややかな眼で見ている読者もいるだろう。しかし、なぜ彼がスピリチュアルにハマったか。それは質的な問いである。その理由を思想的かつ文学的に叙述してみよう。 まず、もちろんのこ

  • 倉津拓也×はるしにゃん対談「今こそ東浩紀を読み返す」 - A Mental Hell’s Angel

    2014-11-30 倉津拓也×はるしにゃん対談「今こそ東浩紀を読み返す」 ーーー ※これはかつて『イルミナシオン』という同人誌に掲載した、倉津拓也さん(@columbus20) とはるしにゃん (@hallucinyan) の、東浩紀に関する対談です。二年前のものなのでブログに再掲。お読みになる前の注意書きとして、当時僕は二十一歳だったので若さゆえの誤りなどがあるということと、二年前のものなのでいまの僕の考えとは異なることも記述されているという二点を留意していただき、それでもよろしければ御覧ください、と述べておきます。ちなみに現在もじつはこのあいだの文フリで東さんにきちんとご挨拶したりもしてきたのですが、現在は信者ではないという断り書きも添えておきます。 ーーー H(はるしにゃん):今回の対談は東浩紀の処女作である「ソルジェニーツィン試論」から、近年の「一般意志2.0:までの流れを追って

  • メンヘラと事件の話 - A Mental Hell’s Angel

    2014-03-08 メンヘラと事件の話 迷ったが少し例の件について書く。 憂で思考能力がめっきりと減退し、長らくやめていた煙草もまた自堕落に再開して、その気怠い煙を肺に流しこみながら、朦朧とした意識状態で唐突にブログを書いている。 一緒に文芸同人誌を作った女の子が八階からダイブしたり、その元カレが自殺教唆で逮捕され実名報道され、いま徹底して気分ががらんどうになっている(ニュースを見て、実名報道とインターネットの悪魔的なコンビネーションで社会的抹殺を被ることの恐ろしさを考えながら僕は動揺を隠せなかった)。 「はは、ここから飛び降りたら死ねるよね」と、以前彼女のマンションで、彼女が空疎に笑ったのを聞いたことがある。そのとき僕たちはオフ会の帰りで、オフの参加者とともに彼女の家に立ち寄ったのだった。メンヘラオフという不健全の塊のような会合。ブロンをキメてから来ましたという女もいた。そして立ち寄

  • カオスラとか上祐史浩について書いておきます - A Mental Hell’s Angel

    2012-12-24 カオスラとか上祐史浩について書いておきます とりあえず今度出す同人誌で上祐史浩との対談やカオスラウンジとの座談会が収録されることになった件について、Twitterでいくつも問い合わせがあったため答えさせていただく。 まず上祐史浩との対談の経緯はと言えば、九十年代にメディア露出が多くあり、「ああ言えば上祐」や「上祐ギャル」などのブームを起こした彼が、いま現在どのような活動をしているのかに興味があったためだ。宗教が学術的に言って極めて重要であることはデュルケームやウェーバーの宗教社会学を参照するまでもなく自明である。上祐氏のところには一度だけお伺いし、お話させていただいた。対談の内容は、いずれ誌をご確認いただければ解る通り、基的に宗教を通して見た現代社会論であり、彼の団体であり「ひかりの輪」に無批判に協力するつもりでは毛頭ない。実際的に言って、公安の監視下に置かれ、(

  • けいおん!の「内面」について - A Mental Hell’s Angel

    けいおん!の内面について、まず杉田悠の非常にクリティカルな指摘をご覧になってもらいたい。 http://m.theinterviews.jp/sugita_u/1231950  杉田悠の言っていることをより詳しく説明しよう。けいおん!の内面については柄谷行人『日近代文学の起源』、大塚英志『キャラクター小説の作り方』、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』、東浩紀『ゲーム的リアリズ ムの 誕生』を読んでもらいたい。つまり自然主義文学は透明な言語(言文一致体)と透明な風景を備えている。それは近代国民国家(ネーション=ステート)という制度のもと成立した。 そして大塚英志的には自然主義的な近代文学のリアリズムに対し、手塚治虫以後の日漫画やアニメでは、「記号的な身体」に「死にゆく私」や「成熟しようとする私」という「内面」を宿らせた 「半透明性」が存在することとなる。それは手塚治虫から始まったというのが

  • 滝本竜彦論――超越と内在の涙を見ながら僕らは逃走した - A Mental Hell’s Angel

    ネットで買った薬をジャラジャラと飲み干しながら、考える、考える。なぜこんなことになってしまったのだろう。あるいはより明白に言えば、滝竜彦の劣化コピーのごとき実存に。ピラセタム、ニセルゴリン、プレグネノロン、アシュワガンダ、ヤマブシタケなどなどの薬またはサプリを今日も嚥下する。ピラセタムは右脳と左脳をつなぐ脳梁のコミュニケーションを活性化させクリエイティビティを増すと共にコリン濃度を高め記憶力を改善するという。ニセルゴリンは脳血流の改善により集中力と記憶力を向上させる。プレグネノロンは認知能力に影響がある上に何もしなくても勝手に筋肉がつく。アシュワガンダは不安を軽減し、ヤマブシタケは脳神経の樹状突起を伸ばす作用がある。このほかにも部屋中にはネットで買った薬が大量に溢れ、その様相はほとんどビョーキだった。薬は病気を治すためにあるのに!まあスマートドラッグは安全なので良いけど。  僕は大学を中

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