『マイマイ新子と千年の魔法』をレンタルで視聴しました。『野火』を観たときに予告が流れた『この世界の片隅に』が強く心に残っていて、それで片渕須直監督作品をmてみよっかなと借りてみたんですけど、なぜこれを今まで見てこなかったのかと激しく後悔しました。よかったです。以下適当に感想を。 一瞬のユートピア まだ戦争の記憶が生々しく残っていたであろう、昭和30年。麦畑が一面にひろがる山口県防府市に、闊達な少女青木新子は生きていた。額のつむじを「マイマイ」と自ら呼ぶ彼女は、祖父から伝え聞いた「千年前には都(国衙)があった」という歴史から無限に空想を羽ばたかせ、それに東京から来た少女、島津貴伊子をも巻き込んで、日々の生活を謳歌していた。 この映画の魅力は、彼女たちの日々の遊び、それをとりまく生活世界の描写の豊かさに尽きると思います。直角に曲がった水路に、新子は古代の人々の息吹を敏感に感じ取り、それはそのま