LE-1は、高度100kmの宇宙空間を目指した日本初の液体燃料ロケットエンジンであった。しかし、長らくその正体は謎であった。 筆者は、公開されている限りにおいて、日本国内のあらゆる文献(各種書籍、宇宙開発事業団報告書、宇宙科学研究所報告書、航空宇宙技術研究所報告書、三菱重工技報、防衛庁技報、日本航空宇宙学会誌等)を調査した。日本初の宇宙用液体ロケットエンジンとは如何なる物だったか。ここに、その謎を終わらせるべく、執筆する。 1.日本の液体ロケットエンジン:LE-X 様々な資料や書籍を拝見しても、日本の宇宙用ロケットエンジンの歴史は、N-IロケットのLE-3から始まる。では、LE-1とLE-2は何処に行ったのか。LE-3より前に開発されたLE-2が当時の技術報告資料で「管構造液体ロケットエンジン」と記されている事から、開発当時は公式に命名されておらず、LE-3の開発時、命名の際に遡ってナンバ
![三菱重工 LE-1 ロケットエンジン, 日本初の宇宙用ロケットエンジン, MHI LE-1, Japanese First Liquid Rocket Engine for Space](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/983f16519e442e2993f89702989f06a495832e03/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblogger.googleusercontent.com%2Fimg%2Fb%2FR29vZ2xl%2FAVvXsEiaMq8Bu3W_Qxr9SwTf1wXuXqyuVjqjDfD5dWgwg47X9cW4nlnMa_49FT0CRNtFIK6BdtsARUNSchgnFIjthziE6nh6EUdwL_C4C2zJW1zkzgWF9j0XFIHAvv7JPgDunPGR5PHUdCuaQGY%2Fw1200-h630-p-k-no-nu%2F6091a8efcfe3f39a719635691cd01d29.jpg)