タグ

ブックマーク / viking-neurosci.sakura.ne.jp (9)

  • Natureが報じる「減り続ける日本の若手研究者と、低下し続ける日本のサイエンスの生産性」 — 大「脳」洋航海記

    【ポスドク問題】 Numbers of young scientists declining in Japan – Nature News “Government policies are hampering the country’s next generation of research leaders, advisory body says.” もう見たまんまです。詳しくはリンク先の文及びこの後に続く日語訳をお読み頂きたいのですが、端的に言えば 過去30年間で大学教員全体の人数は50000人から63000人に増えたが、35歳以下の若手教員の人数は10000人から6800人へと大幅に(30%以上)減った 40歳以下の大学教員数が減り続ける一方で、45歳以上の人数は増え続けている。また65歳以上の人数も増え続けている。 同時期に日のサイエンスの生産性が低下していることを関連付ける

  • 対岸の火事と呼ぶには生々し過ぎる:スペインで科学研究管轄省庁が廃止&科技予算も6000億円以上カット – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般】 Spanish changes are scientific suicide – Nature News, 15 February 2012 海外の話ですが、とんでもないニュースが突然舞い込んできました。非常に大事な話題だと思いますので、全文を(意訳だらけですが)要約しておきます。 スペインからついに科学政策担当省庁が消える。昨年(2011年)末、新政権は科学政策を経済競争省に移管することを決定した・・・最も科学政策を担うにはふさわしくない省庁に、である。スペインでは今や科学研究予算の増額は望まれていない。実際、現在予定されている108億ユーロもの予算支出削減のうち、半分が科学研究に関するものだ。近日中に発表される2012年度予算でも削減の的となるのは容易に予想がつく。 国の方針は明確だ。スペインにおいて、もはや科学研究は優遇されない。確かに、スペインは今や深刻な財政危

  • 任天堂の脳トレには高齢者の認知機能の一部に限って向上させる効果がある:ついに実証研究が査読論文の形で出てきた – 大「脳」洋航海記

    【脳研究 – reviews&issues&ニセ科学問題】 Brain Training Game Improves Executive Functions and Processing Speed in the Elderly: A Randomized Controlled Trial (Nouchi R, Taki Y, Takeuchi H, Hashizume H, Akitsuki Y, Shigemune Y, Sekiguchi A, Kotozaki Y, Tsukiura T, Yomogida Y, Kawashima R, PLoS One. 2011;7(1):e29676) <当blog関連記事> 「脳トレ」に効果なし:英国での大規模な疫学的調査がもたらした結論と今後の展望 「『脳トレ』に効果なし」論文その後の反響:個人的には査読付き論文ベースでの学術的議論が展

  • 研究発表をする上で最低限守りたい7箇条 – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 方法】 関連ツイートのtogetter – vikingjpn @ Togetter このエントリとほぼ同じタイトルでトゥギャったんですが、140字ではまとめ切れなかった部分も含めてついでに当blog上でまとめておきます。これから国際会議や誌上発表などに臨もうという若い人(この言い方オッサン臭くて嫌だな)に参考にしていただければ嬉しい限りです。 一応再掲しておきますが、概して若い人の研究発表を見ていると「細大漏らさず」「事実に忠実で」「過不足なく」というところばかり心がけていて、まるでテクニカルレポートのような発表をしている人が学会発表や投稿論文でも多いんじゃないかという印象を感じます(中には若くても図抜けてimpressiveな発表をやってのける人も勿論いますが)。 学会プレゼンや誌上発表というのは、(音楽)アーチストにとっての「ライブ演奏orコンサート」や「CD(MP3配信

  • 「5%有意水準のもとで有意」を日本の法廷は「5%も例外があるならそれは重要だ」と曲解する(追記あり) – 大「脳」洋航海記

    【科学】 2010年8月25日 司法関係者が統計学を理解できないと – サイエンスポータルレビュー この記事にはちょっとびっくりしました。何がびっくりしたって、記事中で紹介されている法廷の現場における科学者の証言の扱いについてです。 最初の基調講演者、津田敏秀・岡山大学大学院環境学研究科教授の指摘からも事態の深刻さが読み取れた。津田氏は疫学が専門の医師として、水俣病を初めとする多くの環境裁判の法廷で証言してきた経験を持つ。 氏の指摘の中で、多くの人がありそうだと感じるだろう、と思われることがあった。裁判官を含む司法関係者の多くが、疫学の基である統計学を理解していないということだ。確率というものが理解できない結果、「95%の確率でこれこれのことが言える」という科学者の証言に対し、「では残り5%はどうなのか」といったやりとりにしばしば論点が移され、結果的に「5%」の方が勝ってしまうことが「日

  • ネガティブ・データを載せてくれる有名雑誌が欲しい – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 方法】 Journal of Negative Results in BioMedicine 何を隠そう、僕には以前4年間取り組んだのに結局まともなデータが取れず、お蔵入りにしてしまった研究テーマがあるんですが・・・ 実は研究を進めていた当時は競合グループが僕を含めて3つあって、最終的にはそのうち1箇所がベストの結果を出して&ベストの方法論を確立させて論文に仕上げたんですね。 で、僕はお蔵入りを余儀なくされた挙句全く別の論文として書き直すハメになり、もう1つのグループもやっぱり全く別の論文に書き換えてようやく出版したという有様だったのでした。 ところが。・・・よくわからないんですが、このテーマはいつまで経ってもよくよく注目を引くらしく、なぜか定期的に同じネタが学会やら論文誌やらに浮かび上がってくるのです。  浮かび上がってくるだけならいいんですが、予め上記の「ベスト」の方法論に

  • 日本の科学研究業績はこの10年に渡って低迷し、衰退の兆候すら見せている – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般&科学】 日の科学研究動向レポート、『グローバル・リサーチ・レポート:日』を発表~日の論文数はほぼ横ばい、中国など新興国の台頭もあり論文数の世界シェアは低下~ – トムソン・ロイター 2010年7月7日 論文から見た日の研究業績低迷明らかに – サイエンスポータル 日は「質」の低い基礎科学研究論文を「量」産する国でしかないのか:ISIトムソン・ロイターズのデータが示すもの / ついに日のサイエンスの「老化」が始まった?:相対的のみならず、絶対的な生産性の低下という事実が示すもの – 当blog 今年の春にかなり集中的に議論されていた、「日のサイエンスの老化」問題。当時はEssential Science Indicatorのデータに基づいて研究者同士で議論を交わしていたのですが、今回ついにそのESIの総元締めであるトムソン・ロイター自身が定例リリースしている”

  • 定義も日本社会における位置付けも曖昧な「コミュニケーション能力」なる概念に基づいてポスドク問題を論じる愚 – 大「脳」洋航海記

    【ドクター・ポスドク問題】 産業構造審議会産業技術分科会基問題小委員会(第12回)-議事要旨 – 経産省 コミュニケーション能力 – Wikipedia語版 別のところでも色々書いたんですが、ものすごく強いデジャヴを感じる議論のオンパレードになっていたのでちょっとblogでもまとめて書いてみます。 基的に、ポスドク問題というと必ずキーワードになるのが「コミュニケーション能力」なるものなのですが。この小委員会における議論でも、こんな形で出てきています。 日人の語学力の低さも含めて、コミュニケーション能力の低さが課題解決型研究開発の障壁になりかねない。自前主義からの脱却、産学連携、オープンイノベーション、国際標準化、いずれをとっても異なるセクターとのコミュニケーションを適切にしなければ課題解決には繋がらない。 ポスドクの問題についてもコミュニケーション力の問題が大きい。博士号をとった

  • 日本のサイエンスと「成果主義」 – 大「脳」洋航海記

    【研究 – 全般】 成果主義 – Wikipedia語版 【成果主義導入史7】賃金リストラの切り札という不幸 – 読む人事制度 内側から見た富士通「成果主義」の崩壊(著:城繁幸) – Amazon 何を今更という声が挙がりそうなんですが 、自分の考えを整理する上で大事なポイントかなと思ったのでちょっと書いてみます。 そもそも、日の基礎科学研究体制(アカデミアと総称しても大体合ってると思いますが)が成果主義へとシフトしたのは、おそらく大学院重点化以降のことだろうと思います。もちろんそれ以前から科研費なり色々なグラントはあったわけなんですが、重点化以前に博士課程を出た僕の親父によれば「あんなものはコネまみれ」だそうで。 成果主義というのは、来ならば競争を促すことで全体の生産性やクオリティを向上させることを目指すもののはずです。Wikipedia語版によれば、その利点として以下の3

  • 1