タグ

ブックマーク / www.tachibana-akira.com (76)

  • アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG

    年初から急速に円高が進み、株価も急落しました。また安倍総理は、施政方針演説で「同一労働同一賃金」の法制化を目指すと宣言しています。こうした社会・経済の流れは、昨年末に『週刊文春』(2015年12月24日発売号)に寄稿した「アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016」に書いたので、『週刊文春』編集部の許可を得て全文を掲載します(見出しは適宜つけました。図表は入稿時に参考として添付したものです)。 *********************************************************************** 私の手元に「日の再生に向けた検討課題について」と題された資料がある。民主党時代の平成24(2012)年1月、経済産業省が省内の勉強会として日経済の将来を予測したものだ。 2008年からの3年間で名目GDPが40兆円強も減少し、日

    アベノミクスがコケても大丈夫! 臆病者のための「資産防衛術」2016〈週刊文春〉 – 橘玲 公式BLOG
    lEDfm4UE
    lEDfm4UE 2016/02/15
  • マクロ経済学のどこがヤバいのか – 橘玲 公式BLOG

    新刊『「読まなくてもいい」の読書案内』の第一稿から、紙幅の都合で未使用の原稿を順次公開していきます。これは第3章「ゲーム理論」で使う予定だった「複雑系経済学」の紹介です。 ************************************************************************ 経済学が抱える最大の問題が「合理的経済人」の前提にあることは間違いない。行動経済学がこの前提が成立しないことを証明した以上、経済学も、ゲーム理論も、理論の正当性に深刻な疑問を突きつけられている。 この矛盾は、じつは経済学の内部でも気づかれていた。 大学で勉強する経済学は、ミクロとマクロに分かれている。ミクロ経済学は家計(消費者)の需要と企業(生産者)の供給から市場の構造を一般化しようする「帰納型」で、マクロ経済学は国民所得や失業率、インフレ率などのデータから一国経済を分析しよ

    マクロ経済学のどこがヤバいのか – 橘玲 公式BLOG
    lEDfm4UE
    lEDfm4UE 2015/12/27
  • 労働組合は身分差別社会が大好き 週刊プレイボーイ連載(137) – 橘玲 公式BLOG

    安倍政権による労働者派遣法改正案が国会で議論されています。 これを改悪と主張するひとたちは、「正社員が派遣労働者に置き換えられて格差が拡大する」といいます。それに対して政府側は、これまで専門26業種だけに認められていた条件をすべての労働者に開放することで、労働者のニーズにあった多様な働き方が可能になると反論しています。 労働市場改革が揉めるのは、それが日社会の根幹である「会社=イエ制度」を揺るがすからです。 経済学的にいえば、働くというのは自らの人的資を労働市場に投資し、そこから報酬というリターンを得ることです。人的資学歴や資格、専門知識や経験を総合したもので、それを基準に昇進・昇給が決まります。キャリアアップとはたんなる出世ではなく、さまざまな手段で人的資を増やしていくことなのです。 しかし日では、こうした近代的な職業観はまったく受け入れられませんでした。いまでも学生たちは、

    労働組合は身分差別社会が大好き 週刊プレイボーイ連載(137) – 橘玲 公式BLOG
  • 今年のことはわからなくても、10年後の日本はわかっている  週刊プレイボーイ連載(130) – 橘玲 公式BLOG

    東日大震災と福島原発事故のあった2011年や、民主党政権に国民が愛想をつかした2012年に比べれば、昨年はひさびさに平穏な年でした。今年はどんな1年になるのでしょうか? じつはこの問いには意味がありません。どんな予測も、当たるか外れるかはサイコロを投げて決めるのと同じ、ということがわかっているからです。それでも予測を聞きたがるのは、ヒトの脳が未来をシミュレーションするようにできているからです。 脳の情報処理の特徴は、極端な出来事に引きつけられ、変化しないものには興味を持たないことです。 民主党は政権交代で「予算を組み替えれば財源はなんぼでも出てくる」といい、事業仕分けで国民を熱狂させましたが、実際にやってみたら「埋蔵金」などどこにもありませんでした。アベノミクスを囃すひとたちは「金融緩和で高度経済成長期並みの好景気がやってくる」と喧伝しましたが、いまのところそんな兆候はどこにもなく、おそ

    lEDfm4UE
    lEDfm4UE 2014/02/11
    私たちは未来を知ることができませんが、そのなかで唯一、人口動態だけは例外だからです。
  • “憲法改正”論議がカルト化していく理由 週刊プレイボーイ連載(108) – 橘玲 公式BLOG

    この記事が掲載されるのは参院選の翌日で、事前の選挙予想では自民党の大勝が確実視されています。衆参のねじれが解消されれば、アベノミクスや消費税増税とならんで憲法改正が政治の争点として浮上することになるでしょう。 安倍政権の音が憲法9条の見直しにあることは、昨年4月に自民党が発表した憲法改正草案を見ても明白です。ところがこの「草案」が強い批判を浴びたことで、憲法改正のハードルを下げるために96条先行改正へと方針変更されました。 日において常に憲法が問題になるのは、それが敗戦後の米軍支配下において、マッカーサー元帥率いるGHQによってつくられたものだからです。「日側の意見も取り入れられた」との主張もありますが、現行憲法が英語版を日語訳したことは歴史資料においても明らかです。 ところで、私たちはなぜ憲法を「押し付けられた」のでしょうか。それは、大日帝国が無謀な戦争に突入して無残な敗戦を喫

    “憲法改正”論議がカルト化していく理由 週刊プレイボーイ連載(108) – 橘玲 公式BLOG
  • ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) – 橘玲 公式BLOG

    歴史論争を見ればわかるように、世の中の論争の大半はなにが正しいのか決着をつけることができません。歴史文書が残っていても、事実が正確に記されているかどうかはわかりません。タイムマシンが発明され、過去に遡って事実を検証できるようになったとしても、それをどう解釈するかは(自分たちに都合のいい)イデオロギーで左右されるでしょう。 ところがそのなかで例外的に、白黒の決着がつく論争があります。「市場原理」が正しい者に富を与え、間違った者を市場から追い出すからです。 2007年頃に、日市場で独自の「進化」を遂げた携帯電話の仕様が世界標準からかけ離れているとして、“ガラパゴス化”と揶揄されました。それに対して一部の論者が、「ガラパゴスでいいじゃないか」と反論しました。「日には日のよさがあるのだから世界に合わせる必要はない」「日ブランドはアジアではじゅうぶん戦える」というのです。 その後、2008年

    ガラパゴスじゃやっぱりダメだよ 週刊プレイボーイ(116) – 橘玲 公式BLOG
  • 第35回 意外に身近なミリオネア(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    グローバル資主義を批判するひとたちがウォール街を占拠してから、「1%の金持ちと99%の貧乏人」というのはすっかり決まり文句になった。たしかに、とてつもない大金持ち(ビリオネア)がいる一方で中産階級が貧困層に没落していく構図は先進国に共通している。 しかしその一方で、まったく異なる景色を見せてくれるデータもある。 スイスの大手金融機関クレディ・スイスが2012年10月に発表した世界の富裕層ランキングによれば、純資産100万ドル以上を持つ富裕層は1位がアメリカの約1100万人(人口比3.5%)、2位が日の約360万人(同2.8%)、3位がフランスの約230万人(同3.6%)となっている。 「ワールド・ウェルス・レポート」(2012)ではイギリスの資産運用会社が、居住用不動産を除いて100万ドル以上の投資可能資産を持つ富裕層の数を推計している。それによれば1位はやはりアメリカの約300万人(

    第35回 意外に身近なミリオネア(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
  • やっぱりみんな“ネオリベ”になった 週刊プレイボーイ連載(109) – 橘玲 公式BLOG

    事前の予想どおり参院選で自民党が圧勝し、民主党が惨敗して、衆参のねじれが解消されました。投票率は52%とからくも有権者の半分を超えただけで、前回、民主党に投票したひとの多くが今回は棄権したと思われます。 昨年12月の衆院選で自民党が政権を奪還し、経済運営でも結果を出しているだけに、7カ月後の選挙であえて野党に投票する理由がないのは当然です。参議院がなければ最初からこうなっていたわけで、安倍政権はいよいよその真価を問われることになるでしょう。 以下、今回の選挙で気づいたことを列挙してみます。 ①参議院はそもそもいらない 半年以上も不毛な議論を繰り返し、選挙を経ないと正常化できないなら最初からない方がマシ。有権者の判断は昨年の12月にすでに出ている。 ②反原発は票にならない “被災地”の福島ですら「反原発」を掲げた候補者はまったく相手にされず。議席を獲得できたのは共産党候補と東京選挙区の山

    やっぱりみんな“ネオリベ”になった 週刊プレイボーイ連載(109) – 橘玲 公式BLOG
  • “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG

    アメリカの高校生にリーダーシップがあるかどうか質問すると、7割が「自分は平均以上」と答えます。大学教授を対象とした調査では、94%が「自分は同僚より優秀だ」と回答します。平均より優れたひとは半分しかいないはずですから、これは明らかにおかしな現象です。 心理学では、無意識のうちに自分を過大評価することを「平均以上効果」といいます。私たちの住む世界では、ほとんどのひとが平均以上に知能が高く、平均以上に公平で、平均以上に車の運転がうまいのです。 自分に根拠のない自信を持つ傾向は、「ポジティブ・イリュージョン」として知られています。といっても、“幻想(勘違い)”なんだから矯正すべきだ、といいたいわけではありません。 子どもに対して「もっと現実を直視しなさい」と説教する親や教師がいますが、自己評価と他者の評価が一致している、すなわち“勘違いしていない”ひとの典型はうつ病患者です。あらゆる出来事をネガ

    “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG
  • 第29回 キプロス、預金保護の危うさ(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    地中海の島国キプロスをめぐる春の椿事は一段落したようだが、いったいなにが問題だったのだろうか。 最大の衝撃は、「国家が預金封鎖で国民の資産を没収する」という現実をひとびとが目の当たりにしたことだ。 個人にとって預金とは、納税という市民の義務を果たした後に手元に残ったお金を積立てたものだ。国家は国民の財産を保護する義務を負っているのだから、預金の利子ではなく元に課税することが財産権の侵害にあたることはいうまでもない。 だが今回の問題は、もうすこし複雑だ。 ギリシア国債に多額の投資をしていたキプロスの銀行は、ギリシアの財政破綻で債権放棄を迫られて債務超過に陥ってしまう。しかし“金融立国”キプロスでは、金融機関の総資産がGDPの7倍もあって、国家に銀行を救済する財政余力がない。ない袖は振れないのだから、「財産権」など絵に描いたモチで、このままでは国家も金融機関もろとも破綻するほかなかったのだ。

    第29回 キプロス、預金保護の危うさ(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
  • 国民年金基金についての私的提言 – 橘玲 公式BLOG

    国民年金基金は、自営業者などが加入する国民年金(平均的な受給額は月5万3000円)と、サラリーマンや公務員の年金(同16万1000円)の格差を是正すべく1991年にスタートした。国民年金加入者のうち、経済的に余裕のあるひとは、別途、国民年金基金にも加入することで、掛金が全額所得控除になるなどの税務上の恩恵を受けつつ長期の積立で老後の年金を増やすことができる。 行動経済学は、ひとは「合理的経済人」として常に正しい判断ができるわけではないという。ここから、「国家がひとびとを経済合理的な選択に誘導することは認められるべきだ」との政治的主張が生まれた。 リバタリアン・パターナリズム(おせっかいな自由主義)と呼ばれるこの立場では、国家が国民に“正しい行動(将来のための積立)”を強制することは否定するが、制度設計(マーケットデザイン)を通して正しい選択にNudgeする(ひじでそっと押す)ことは積極的に

    国民年金基金についての私的提言 – 橘玲 公式BLOG
  • 楽天的すぎるくらいがちょうどいい 週刊プレイボーイ連載(94) – 橘玲 公式BLOG

    「とりたてて理由はないものの、毎日が憂でなにもする気がしない」 「近い将来、とんでもなくヒドいことが起こるにちがいないと思う」 「ときどき不安でいてもたってもいられなくなる」 こんなふうに感じることはありませんか? うつ病はなぜあるのでしょうか。現代の進化論では、この謎を次のように説明します。 人類がその歴史の大半を過ごした石器時代では、サバンナの真ん中で昼寝をする太っ腹より、ささいな物音にもびくびくしている小心者のほうが子孫を残す率が高かった。火と武器を手に入れるまでは、ヒトはマンモスなどの大型獣を狩る狩猟者ではなく、肉獣のエサだったからだ――。 もちろんいまでは、街を歩いていたらいきなりライオンが襲ってきた、などということはありません。しかし遺伝子は文明の進歩に追いつくほど早く変化できないので、私たちはまだ石器時代のこころのままコンクリートジャングルを生きています。必要以上に将来を

    楽天的すぎるくらいがちょうどいい 週刊プレイボーイ連載(94) – 橘玲 公式BLOG
  • 「高金利・円安・インフレ」のアナザーワールドにようこそ – 橘玲 公式BLOG

    日発売の『日の国家破産に備える資産防衛マニュアル』の「まえがき」をアップします。 ********************************************************************** 「強い日経済を再生する」と宣言した安倍自民党政権の誕生で、「株価や地価が上昇するのでは」という期待と、「なにかとてつもなくヒドいことが起きる」という不安が交錯しています。 安倍首相が信奉する経済政策、すなわちアベノミクスは、どんな手段をとってでも日銀に2%のインフレを実現させる、というものです。 これから実施されるであろう史上例を見ない大規模な金融緩和(リフレ政策)の効果については、経済学者のあいだでも10年以上にわたってはげしい論争(というか罵り合い)が続いています。ある高名な経済学者は、「日銀が市場に大量のマネーを供給しさえすれば日経済は復活し、経済成長によ

    「高金利・円安・インフレ」のアナザーワールドにようこそ – 橘玲 公式BLOG
  • 【書評】日本の景気は賃金が決める – 橘玲 公式BLOG

    エコノミストの吉佳生氏は、スタバの価格から世界経済まで、あらゆる経済現象をわかりやすく解説することで人気がある。だがいちばんの魅力は、経済統計などの基礎データを徹底的に読み込んで、そこから思いもよらない結論を導き出す手際の鮮やさだ。 『日経済の奇妙な常識』はそうした特徴がよく出た一冊で、あまりに驚いたので「日銀の金融緩和がデフレ不況を生み出した」で紹介した。新刊『日の景気は賃金が決める』はその続編というか、「アベノミクス版」だ。 最近になってようやく経済メディアでも話題にされるようになったが、吉氏は前著で、「日の不況の質は賃金デフレだ」ということをいち早く指摘している。投機マネーによる資源価格の高騰で輸入物価が大きく上昇したものの、中小企業はそれを価格に転嫁できず、従業員の賃金を減らして生き残ろうとしたのだ。 その結果なにが起きたかを、このではさまざまな国際比較によって明解に

    【書評】日本の景気は賃金が決める – 橘玲 公式BLOG
  • アンチ・グローバリズムも“グローバル化”している – 橘玲 公式BLOG

    藤原章生氏の『資主義の「終わりの始まり」』を興味深く読んだので、忘れないうちに感想を書いておきたい。 著者の藤原氏は毎日新聞記者で、ローマ支局長のときにギリシアの混乱を取材した『ギリシャ危機の真実』という優れた現場報告を書いている。書はその混乱を経て、イタリアやギリシアなど“南のヨーロッパ”で「資主義はもう終わりだ」という思想が生まれつつあることを取材したものだ。 物語は、2012年1月に交通事故で急逝したギリシアを代表する映画監督、テオ・アンゲロプロスが遺した謎めいた言葉から始まる。 「いまは未来が見えない。そして誰もが大きな待合室でチェスをしながら、扉が開くのを待っている。中には扉を壊そうとする者もあるがすぐには開かない――。ここ地中海圏が、扉を最初に押し開こうとするだろう」 アンゲロプロスが死んで、この“予言”の真意を直接訊くことはできなくなってしまった。そこで著者は、イタリア

    アンチ・グローバリズムも“グローバル化”している – 橘玲 公式BLOG
  • 第24回 庶民の味にグローバル化の波(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    アモイの台湾夜市で鶏肉飯をべたら15元だった。 アモイは中国南部・福建省の港町で、台湾海峡を挟んで中華民国(台湾)まではわずかな距離だ。 もともと台湾人(省人)の多くは福建省の出身で、台湾語は閩南語(福建語)とほとんど同じだから、彼らは異なる国の国民というより同郷人だ。国共内戦で台湾は蒋介石の中華民国軍(外省人)に占領され、その後は中台間で軍事的な危機が繰り返されてきたが、90年代からの改革解放経済でアモイ(福建)と台湾は急速に経済的に一体化していく。 いまやアモイの繁華街には、「風台(台湾風)」の看板を掲げた土産物店がずらりと並んでいる。台湾夜市はその近くにある屋台街で、地元の若者たちや中国各地からの旅行者でたいへんな賑わいだ。 鶏肉飯はご飯の上に蒸した鶏肉を載せて甘辛いタレをかけたファストフード(B級グルメ)で、15元は日円に換算すると約200円になる。夜市の屋台で定番の牛肉麺や

    第24回 庶民の味にグローバル化の波(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG
  • “ネオリベ化する福祉国家”オランダから日本の未来が見えてくる – 橘玲 公式BLOG

    『マネーポスト』の2013年新春号に書いた記事を、編集部の許可を得て転載します。日ではあまり馴染みのないオランダの政界の話ですが、非常に示唆的です。 なお、文でも述べていますが、この記事の元ネタは水島治郎氏の『反転する福祉国家 オランダモデルの光と影』で、これはヨーロッパの政治状況を考えるうえでの必読書です。 ************************************************************************ 今回は、オランダの政治について書こうと思う。 おそらく、この一行だけで読む気をなくしたひともいるだろう。でもこれは日でいま起きていることを知るうえでたいへん興味深い話なので、しばしおつき合い願いたい。 オランダは、売春とマリファナを合法化した国として有名だ。アムステルダムのホテルに泊まると、各部屋に観光協会の小冊子が置いてあって、そこ

    “ネオリベ化する福祉国家”オランダから日本の未来が見えてくる – 橘玲 公式BLOG
  • そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG

    2012年は民主党から自民党への政権交代で幕を閉じ、安倍政権への期待から株価は大きく上げて新しい年が始まりました。とはいえ、経済ばかりでなく外交や安全保障など問題は山積しており、波乱を予感させる年明けです。 今回の選挙の際立った特徴は、投票率が59.32%と戦後最低を更新する低さだったことです。第一党となった自民党の比例での得票率は27.62%ですから、「投票しない」という意思表示をしたひとはその1.5倍もいたことになります。 経済学では、人間が完全に合理的であれば選挙などに行くわけがない、と考えます。国政選挙では自分の1票が候補者の当落に与える影響力はほとんどゼロですから、貴重な休日にわざわざ投票所まで出かけていく費用対効果もゼロで、投票率は業界団体や宗教団体など、投票の動機が明快なひとの数で決まることになります。 実際には、投票率はこのシニカルな仮説をはるかに超えていて、「ひとは常に経

    そしてみんなネオリベになった 週刊プレイボーイ連載(82) – 橘玲 公式BLOG
  • 今年はどんな年になるのだろうか2013 – 橘玲 公式BLOG

    世界的な株高と円安で幕を開けた2013年は、ひさしぶりに明るい雰囲気に包まれている。このままの勢いで経済は上向き、日はゆたかさを取り戻すことができるだろうか? 「未来は誰も知ることができない」ということを前提に、今年がどんな年になるのか私見を述べてみたい。 去年は6月にイギリス、アイスランド、アイルランド、ポルトガル、ギリシア、イタリア、ドイツを回った。そこで感じたのは、日での報道と現地の雰囲気はかなり違う、ということだった。 “ヘッジファンド国家”と化したアイスランドは市場原理主義が大失敗した格好の例として取り上げられるが、バブル崩壊後の通貨安の恩恵を受け、夏の観光シーズンにはヨーロッパ中からアウトドア派が押し寄せて観光地はどこも活況を呈していた。北海道よりも広い島にわずか30万人しか住んでいないから、バブルが派手にはじけても、すこし追い風が吹けばたちまち景気は回復するのだ。 不動産

    今年はどんな年になるのだろうか2013 – 橘玲 公式BLOG
  • 私たちが夢見ていた「近代」 週刊プレイボーイ連載(81) – 橘玲 公式BLOG

    もうみんな忘れているかもしれませんが、戦後日ではずっと自民党の一党支配が続いていて、政権は選挙後の党内の派閥抗争で決まりました。80年代に日経済が世界を席巻すると、こうした“特殊”な日的システムが不公正な競争力の元凶だと批判されるようになりました。「文化的にも欧米と対等になるには、談合ではなく選挙によって政権交代すべきだ」というのです。 「日を変えるには派閥政治を終わらせなければならない」というのは、マスコミや政治学者だけでなく、政治家にとっても喫緊の課題でした。派閥の領袖自身が、派閥抗争を制御できなくなっていたからです。 こうして、「新しい日」をつくるための選挙制度改革が始まりました。小沢一郎が主導したこの改革の目的は、アメリカの共和党と民主党、イギリスの保守党と労働党のように、政権交代可能な二大政党制をつくることでした。そのためには派閥ではなく政党が選挙をたたかう小選挙区制し

    私たちが夢見ていた「近代」 週刊プレイボーイ連載(81) – 橘玲 公式BLOG