1993年のアーティストデビュー以来一貫して家族をテーマに創作に取り組んできた長島の新境地を開く展覧会となる本展は、アーティストが母親と共作した作品と大小の写真群が空間を構成するインスタレーションの展開となる予定です。2010年に発表した写真集「SWISS」の制作過程で、祖母の残した大量の花の写真にインスパイアされた長島は、名もなき表現者であった祖母の創作の情熱の秘密をさらに探求していきます。その探求は「家庭」という誰にとっても明らかなようで実は大変に曖昧である概念、「家庭」と紐付けて語られることの多かった女性にとっての創作、そして創作におけるプロフェッショナルとアマチュアを分かつ境界線といった問題にアーティストのまなざしを向けさせていくこととなります。長島の問いかけにより、私たちは普段当たり前だと感じ受けとめている社会通念のようなものが、実際には大きな矛盾や葛藤をかかえ、不完全なままに社