日本の学校教育にはどこに問題点があるのか。アメリカで教育に関する講演やメディア出演をこなすマイケル・B・ホーン氏は「この半世紀で、学校のパーパス(存在意義)は変わった。教師が教壇に立ち、子供たちに一斉に知識を与える従来型の授業方式はもうやめるべきだ」という――。(前編/全2回)(取材・文=NY在住ジャーナリスト・肥田美佐子) 日本の授業は先生がずっと話し続けている ――何年か前、英語教育関連の視察で渡日し、複数の公立校を回ったそうですね。日本の学校について、どのような気づきがありましたか。 東京など、複数の都市の小中学校を回ったが、まず、日本の家庭が、アメリカの家庭より教育を重視していることがわかった。学校の授業だけでなく、課外プログラムや塾も含めてだ。 次に感じたのが日本の教育制度の閉鎖性だ。海外の大学や留学にさほどベクトルが向いておらず、非常に「内向き」だと感じた。外国に行くことに熱心