犬は人類最良の友人と言われるが、それを証明するかのように、私たちの祖先は犬を連れながら世界各地を旅していたようだ。 最新の研究によって、人間の移住の歴史と犬のDNAの変化の歴史が一致していることが明らかになった。 犬の遺伝子が多様化した経緯の謎 人間が最初に共生関係を結んだ動物はオオカミ(狼)の先祖である。そして、こうした交流から犬が誕生することになった。 オオカミが家畜化されて犬が誕生したプロセスについては諸説あるが、犬が人間と長きにわたって生活を共にしてきたことは間違いなく、そのゲノムは複雑な個体群構造を持つにいたっている。 だが、これまで現在入手できた古代犬と古代オオカミのゲノムが6つしかなかったために、どのような経緯をたどってそのような構造になったのか詳しいことは分からなかった。 『Science』(10月30日付)に掲載された研究では、ヨーロッパとアジア各地で入手されたさらに27