福島県南相馬市で、サーフィンをする鈴木康二さん(2020年3月4日撮影)。(c)CHARLY TRIBALLEAU / AFP 【3月10日 AFP】サーフボードを抱え、波のコンディションを確認する。福島県南相馬市に住むサーファー、鈴木康二(Koji Suzuki)さんの朝の日課だ。 南相馬市の海岸は日本有数のサーフスポットだ。海を中心とした街づくりが盛んで、多くのサーファーに親しまれた。9年前、福島第一原子力発電所で事故が起きるまでは ──。 2011年3月11日、マグニチュード(M)9.0の巨大地震により発生した津波が福島第一原発を襲った。鈴木さんがサーフショップを営んでいた右田浜から南、約30キロしかなかった。 津波は、鈴木さんの住宅やサーフショップを含む70軒あまりの地区全てをもさらっていった。何も持たずに逃げ、残ったのは避難する際に使った車に偶然積まれていたショートボード2本だけ
