今年は、江戸中期の京都で活躍した絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716〜1800年)の生誕300年。東京都美術館で先月24日まで開かれた「若冲展」は、31日間で約44万人を動員し、入場まで時に5時間待ちにもなる、日本絵画展としては異例の大反響だった。だが、その名が広く浸透したのは2000年以降のこと。何が起こり、現在のブームに至るのか。【岸桂子】 ニワトリや魚、植物の絵の下に、「若冲 生誕300年」の文字がひときわ目を引く。「京の台所」として知られる京都・錦市場では今年、巨大タペストリーがアーケードを彩っている。錦小路は若冲の生誕地だ。 この記事は有料記事です。 残り1120文字(全文1393文字)
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