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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (90)

  • アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば

    5月の家計調査について、ロイターの事前予想は、前年同月比の中央値が-2.0%、最小値でさえ-4.0%だったところ、一昨日の結果は-8.0%にもなった。誰も考えなかったほど大幅な「想定外」の落ち込みである。しかるに、財務相は公表後の記者会見で「想定内」。アベノミクスが危殆に瀕しても、泰然として国民を安んじようという配慮なのかもしれない。田内閣参与は、実質賃金の低下を憂慮しておられるようだからね。 さすがの日経も、昨日は「所得目減りが消費に重荷、物価高に賃金及ばず」として、もはや「想定内」の文字はない。コラムは、先月の家計調査の公表の時、既に所得の低下に警鐘を鳴らしていたし、消費増税の幅が大き過ぎて春闘の賃上げでカバーできないことは、それ以前から繰り返し指摘してきた。起こって当然のことが現実化しているわけだが、アベノミクスの想定シナリオは、確か「増税を賃上げで乗り越える」ではなかったか。

    アベノミクス・想定内の破綻 - 経済を良くするって、どうすれば
  • W杯を眺めつつの経済観戦記 - 経済を良くするって、どうすれば

    しょせんサッカーではあるが、どうしても日の在り様と重ね合わせてしまう。なぜ、リスクを取って攻め上がれないのか。デフレ脱出前から、財政赤字を怖がり、一気の消費増税に走ってしまうのだから、日本代表の若者達の批判などできまい。臨機に応じられず、約束事を変えられないまま、苦しくなって後付けの手で打開するところは、鏡のようですらある。 ……… さて、最新の消費動向だが、6月第3週の「消費税率引上げ後の消費動向等について」を見ると、飲料品(除く生鮮)の前年同月比は、まだ-2.73である。わずかずつ戻しているものの、足取りは鈍い。日経は「回復」としているが、スーパー協会の5月の前年同月比0.0というのは、値上がりが目立つ生鮮込みの数字であり、それらを除く一般品は-3.3となっている。W杯と同様、期待先行ではなかろうか。 筆者は、シティの飯塚尚己さんと同じく、実質所得の減が心配だ。6/12の日経ビジ

    W杯を眺めつつの経済観戦記 - 経済を良くするって、どうすれば
  • アベノミクスから醒めるとき - 経済を良くするって、どうすれば

    また夢で終わるのかね。サッカーW杯16強突破ではなく、日のデフレ脱出の話である。4月の家計調査は、それほど重苦しい結果だった。駆け込みの反動で消費が落ちたことを気にする必要はないが、今後の消費を占う実質「実収入」の季節調整済指数が前月から-3.6も低下したのは重症だ。低下幅は東日大震災時の2011年3月と変わらないほど大きく、水準はこの時の97.0を大きく下回る94.7にまで落ちた。こんなに「実収入」が落ちてしまって、消費が反動減を取り戻せるのか、夢に酔えぬほど数字は厳しい。 (図1) ……… 消費は収入次第というのは誰でも分かる理屈で、勤労者世帯の実収入と消費支出がパラレルに動いていることは一目瞭然だろう。2013年春には、雇用の底入れで消費が上ブレしたが、収入増が追いかけ、消費の反動減も出て、元の割合に概ね戻っている。つまり、消費増税の駆け込みと反動で消費の基調が見えない中で、収入

    アベノミクスから醒めるとき - 経済を良くするって、どうすれば
    laislanopira
    laislanopira 2014/06/01
    “民のカマドの数字ごときで、緊縮の思想は揺らがぬものかもしれない。”
  • 法則の異変と神の見えざる手 - 経済を良くするって、どうすれば

    法則はデータから導かれなければならないが、経済学では、そうした傑出したデータに、なかなかお目にかかれない。その貴重な一つに、赤羽隆夫先生が見つけた「家計の消費率は一定」という「法則」がある。具体的には、「家計調査において、非料消費が実収入に占める割合は、30年の長きにわたり一定だった」という事実によるものだ。このファクツ・ファインディングには、伊東光晴先生も非常に高い評価を与えている。 このことは、マクロの消費率ないし貯蓄率は、個人レベルでの選択の傾向性、すなわち、ミクロ的基礎では決まらないことを意味する。例えば、多くの人が少子化に備えて、一斉に貯蓄率を高めようとしても、それを引き下げてしまう「神の見えざる手」が働くということなのである。むろん、ミクロの行動に立脚するライフサイクル仮説などの消費理論も土台が揺らぐことになる。 ……… まずは、データを見ていただこう。青線で一定を保つ「非

    法則の異変と神の見えざる手 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、公表された10月の家計調査の基調の悪さには愕然とした。季節調整済実質指数の「除く住居等」は、-3.0の97.5まで落ちていた。これは昨年秋の最悪期を下回るレベルである。既に公表されていた10月の消費者態度指数の急激な低下に沿った結果となった。これで4ヵ月後には消費増税が来ると思うと、気分が暗くなる。世間は、株価の年初来最高値に沸いているだけに、孤独を感じるよ。 7-9月期の家計消費の低迷は、円安の浸透による物価上昇で名目実収入の伸びが削り取られていることにあったが、この傾向が続いていると考えられる。確かに、所得と雇用は少しずつ良くなってはいるが、その分だけ、円安を転嫁する値上げが可能になっているのだろう。11月の東京都区部のCPIからすると、こうした状況は、まだ続くと思われる。 今回の家計調査の特徴は、自動車と住居の消費は伸びていて、それらを含む実質指数では、前月比横バイを維持できた

    家計調査の基調の悪さ - 経済を良くするって、どうすれば
  • 危惧が的中した7-9月期GDP - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、公表になった7-9月期GDPは、筆者の予想どおり、相当に悪い内容だった。表面的には実質年率で1.9%成長だが、在庫の急増という要因を除くと、0.4%成長になる。ゼロ%台の成長もあり得るとしていたから、まあ的中と言って良かろう。在庫は、消費が悪い結果として伸びるとは思っていたが、その大きさを事前に読むのは、困難な項目であり、2次速報で大きく変わる可能性もある。 民間消費は、実質の前期比で0.1%増であった。筆者は、これでもまだ高い方だと思っている。GDPを占う消費総合指数は感応度が低いためにプラスだが、家計調査は既にマイナスになっているからだ。消費の不振は、雇用者報酬が-0.6%と落ち込んでいることによる。賃金が上がらない中で、円安による物価高の浸透が実質値を下げている。 前にも書いたが、今年前半の経済の好調は、外国人の旅行者増と日人の海外旅行からの国内シフトという円安メリットであり

    危惧が的中した7-9月期GDP - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済思想が変わるとき 4 - 経済を良くするって、どうすれば

    現在の経済学は、「利益を最大化するよう合理的に行動すること」を理論の大前提としているために、「金融緩和さえしておけば、それに従って設備投資がなされるから、消費増税で需要を抜いても構わない」という見解になっている。むしろ、増税で財政赤字を減らそうとすることが金利を安定させ、成長を助けるくらいの感覚である。 しかし、実際には、需要リスクがあると、設備投資が控えられ、不合理にも機会利益は捨てられてしまう。利益を最大化するより、大きな損失を被る事態を避け、生き残ることを優先するためである。したがって、金融緩和に消費増税を組み合わせるに至ったアベノミクスは、失敗する可能性が高い。その時、どんな思想に拠って失敗したかを看過してはなるまい。そうでなければ、我々は、失敗で多大の犠牲を出しながら、何の教訓も得られないことになる。 ……… 前回は、需要リスク下の経済学ということで、「需要リスク>0」の場合、す

    経済思想が変わるとき 4 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済思想が変わるとき 2 - 経済を良くするって、どうすれば

    ケインズ経済学は、不況下における財政の大切さを説いて、経済運営の考え方に革命を起こした。他方で、その最大の欠陥は、なぜ、それが有効に働くかの理由が判然としないことである。確かに、流動性の罠など、金融緩和が十分に機能しない局面では、財政を使うしかないというのは分かる。しかし、それだけでは、赤字が不安で財政を使いたくないとなると、弱々しいのを承知で金融緩和に頼ったり、効果不明の構造改革に託したりになってしまう。財政を使う決定的な理由に欠けるのだ。 ……… 現在の経済学に異を唱えるために、「常に」不合理に行動することを論証する必要があると言うと、とても無理だと思うかもしれないが、大したことではない。常に不合理さはあっても、普段は無視できるほど小さいとした上で、ある条件に従い、無数の主体が持つ小さな不合理が大きくなるとともに、それらの不合理には相互作用があって、強め合うフィードバックが働くというモ

    経済思想が変わるとき 2 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済思想が変わるとき 1 - 経済を良くするって、どうすれば

    ここまでアベノミクスが上手くいっていながら、そのまま保とうとはせず、一気の消費増税という、すべての成果をドブに捨てるようなことをしてしまう。それは、なぜだろうか。そこには、需要を抜いても経済には決定的な悪影響はないという極めて強固な思想がある。普通の人には奇妙に聞こえるだろうが、これは「合理性」に基づくものなのだ。 ……… 現在の経済学の基礎には、人は利益を最大化するよう行動するという「公準」がある。「公準」とは、すべての理論の基礎となる前提のようなものだ。そして、この前提に立つと、合理的な人は、資金や労働力が余ってムダになっている状況を放置したりせず、必ず、それらを利用し、生産を増やして利益を得ようとするだろう。そうすると、世の中には余資も失業もあり得ないことになる。 この理屈は、世の中に不況は存在しないと言うようなものなので、普通の人にとっては、「まさか」という話である。現実に、超低金

    経済思想が変わるとき 1 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 経済運営に幻想は無用 - 経済を良くするって、どうすれば

    今年は真水で5兆円の補正予算を打った。だから、今度、5兆円規模の補正を打ったにしても、今のレベルを維持するに過ず、来年の消費増税のデフレインパクト8.1兆円は、そのままかかってくる。経済は素直なもので、需要を抜けば、その分、景気は悪くなる。そこに幻想はない。筆者も残念で仕方がないが、やったとおりの結果が出てくるだろう。 思い返せば、2010年には、リーマンショック対策を一気に10兆円も切って、景気を後退させ、管政権は評判を下げ、補正予算の編成に追い込まれた。大震災の後は、阪神の際のように、すばやく応急復旧と経済対策の2立ての補正をすべきところを、復興増税の論議をして遅らせ、景気を沈滞させてしまう。野田政権は、消費税法案を優先し、剥落を補う補正予算を打てぬまま、景気を悪くしたところで自爆解散に至った。 日の経済運営は堪え性がない。景気回復に応じて徐々に経済対策を減らすことができず、すぐに

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  • 9/20の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    企業減税は5兆円補正の内数のようだ。減税は財政支出よりも需要創出の効果が劣るから、補正による需要追加は、昨年の規模を下回ることになる。つまり、消費増税のデフレ・インパクトはそのままに、支出の面でも縮小になる。今の官邸は経産省が牛耳っているのだろうが、企業減税さえできれば十分で、マクロ経済を心配する人はいないのかね。 小竹さんは「法人減税は個人にも恩恵」と言うが、上場企業の外国法人等の比率は約3割なので、海外に流出する恩恵に何の意味がある。投資促進効果の可否については、「法人企業景気予測調査」の数字を引いて説明している西野武彦さんの「法人減税の虚実・景気株価押し上げは期待薄」(9/19日経電子版)の方が説得力があるよ。 (今日の日経) 企業減税まず1.4兆円、首相譲らず。法人税率下げで約9000億円減収。法人減税は個人にも恩恵・小竹洋之。3大都市圏の地価5年ぶり上昇。企業の現預金220兆円、

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  • 9/4の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    結局、経済教室に消費増税の懸念派は登場せずなのだね。賛成派の理屈は共通していて、「予定通りしなければ、一気に信用が失われる」の一点張りだ。確かに、安倍総理が消費増税の必要性そのものを否定し、放漫財政を広言すれば、そうなるかもしれないが、極論というものだろう。相手の主張を極論に仕立てて否定するのは、よくある弁論術ではある。 1年半間隔での1%、2%、2%アップなら、減収は15兆円のみ。それも足元の「予定外」の税の自然増収で十分補えるほどだ。これで財政への信用が失われるわけがない。ブラック・スワンどころか、無視できるリスクだ。そもそも、待てば額面償還のある国債と株式のバブルを同一視してはいけないし、インフレによる額面価値の毀損は現状では論ずるに値しない。 賛成派には、「消費増税は国民や政治が嫌うから、やれるときに一気に」という心理があり、「景気が悪化しても、いずれ戻るのだから」という感覚がある

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  • 消費増税への強いこだわり - 経済を良くするって、どうすれば

    官僚が既得権益の拡大を狙っているのでは? (なべを) 2013-08-26 01:19:26 初めて投稿させていただきます。こちらのブログは、いつも興味深く拝読しております。 私の考えを述べると、官僚が愚民感を捨て去ることなど無いと思います。 むしろ、為政者(官僚)は自らの既得権益を守るため、国民に対して、あえて愚民化政策をとってはいないでしょうか? 消費税による増税で、景気が冷え込んでしまう事を、もちろん、財務省の官僚達は折り込み済みでしょう。 それでも、財務省官僚が増税を強行したい理由は、景気の動向などよりも、予算を増やし、自分達の既得権益の拡大が最重要課題と考えているからだと思います。 増税して、その後、景気動向が悪ければ、公共事業などのバラマキ(再分配)で調整する… 一見意味の無い事のようですが、この事は、官僚の既得権益拡充に充分役に立つと思います。 なぜなら、彼らの既得権益とは予

    消費増税への強いこだわり - 経済を良くするって、どうすれば
    laislanopira
    laislanopira 2013/08/25
    "景気回復の初期では、追加的需要で企業収益が急伸するから、法人税の自然増収で財政赤字を減らし、所得増と消費増で需要圧力が増し物価が上がるようになったら消費増税" なのに最初から。何故
  • 消費税 増 8/12の日経 - 経済を良くするって、どうすれば

    悲劇というのは、現実の変化に意識がついていけないときに起こるもの。今日の日経には「首相、法人税率下げ検討指示」とあるが、景気回復によって、足下で法人税収が急増していて、財政再建の「切り札」となっていることを知ったら、あえて、それを捨てるようなことは考えないだろうと思う。 もちろん、財政当局は法人減税に反対だが、「急増する税収を捨てないでくれ」と訴えたりしたら、消費増税のために自然増収を隠蔽していたことが知れるから、そうもいかない。まったく、隠し事なんかするから、こういう困った事態に陥るのである。国家にとっては、悲劇としか言いようがない。 ……… アベノミクスによってデフレを脱出するには、家計の所得を増やすことがカギになるとされる。所得増によって消費が伸び、需給が引き締って、物価が上がることになるからだ。そこで、大きく向上した企業収益を賃金へと回してもらうことが必要になるが、それを政治がお願

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  • 日本の命運を分けた5分間 - 経済を良くするって、どうすれば

    その日、消費増税検証会議は最終日を迎えていた。各界からの意見聴取は進んでいたが、ほとんどは「予定通りの増税はやむなし」であった。誰もが「国の借金はGDPの2倍」という言葉には不安を感じていたし、もうここまで来たら、後戻りはできないだろうと空気を読んでもいた。「増税は国民の総意」となって、万一の責任を問われないとなれば、総理も乗るに違いない。そんな観測ももっぱらだった。 最終日も滞りなく進み、意見表明もあと一人となった。残っていたのは、ある業界の代表であった。温厚そうな会長は、「どうか景気対策の方もよろしく」と条件は付けたものの、やはり賛意を表して締めくくった。これで会議も終わりという安逸な気分が流れ、あと5分で刻限という、その時だった。隣に座っていた副会長がおずおずと手を上げ、「一つ教えてもらえまへんか」と関西弁で尋ねてきた。 副会長は、特に意見を言いたかったわけではない。せっかく、首相官

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  • 経営学と経済学の緊張関係 - 経済を良くするって、どうすれば

    何事も自明と思っては読み間違う。むしろ、自明とされていることを掘り下げることで新たな知見は生まれる。経済学の言う「人は利益を最大化するよう行動する」のが真実なら、経営者がどんな投資判断をするかを解明する経営学は、ほとんど無用の存在になるが、逆に、そうでないことを経営学が実証したりすると、経済学は拠って立つ基盤を失い、あまたの理論が瓦解しかねない。実は、そんな緊張関係がある。 ……… 新進の経営学者である入山章栄先生が著した「世界の経営学者はいま何を考えているのか」は経営学の最新状況を案内してくれる楽しいであり、経営学の将来への期待と意欲、そして、真摯さがにじんでいて、清々しい。私が特に興味を引いたのは、第12章の「不確実性の時代に事業計画はどう立てるべきか」であった。どうも、経営者は、不確実性の下では、段階的な投資をするものらしい。 入山先生も指摘するように、こうした行動は、実際の経営で

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  • 脱デフレから格差是正まで - 経済を良くするって、どうすれば

    世の中を良くするのに役立たないことで定評のある経済学だが、長年の懸案に答えが出ているものがある。それは「貧しい国をいかに豊かにするか」である。答えは、輸出型の外資の導入だ。特区を作って安い労働力を提供し、輸出を伸ばすとともに、増えた所得が内需を拡げ、経済を成長させる。もはや常識と化したこの手法だが、まじめに考えると、なぜ成功するのか明らかでなかったりする。 なぜ「輸出」なのか。成長の源は設備投資にあり、それには需要が決定的に重要という理解があれば、何の疑問もないが、経済学の教科書から一歩も出ずに、「需要の有無と関係なく、低賃金に加え、資さえ用意できれば経済は成長するはず」と考えると、見えるものもみえなくなってしまう。まあ、理由はよく分からなくても、効く薬は用いられるということなのだがね。 昨日の日経には、「対内直接投資北朝鮮より少なく情けない」という話が出てくるが、日に低賃金はないし

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  • マインドで済ますな - 経済を良くするって、どうすれば

    3月の家計調査の結果は、凄まじいものだった。季節調整済の実質指数で、対前月2.0ポイントもの上昇である。10-12月期の指数平均98.4から1-3月期は102.4へ、4.0ポイントものアップになる。この結果を受けて、各調査機関はGDPの高い伸びを予想しており、最も高いところでは、年率3.2%成長である。 こうした消費の高い伸びの理由について、大方は、円安株高によるマインドの変化とするが、これだけの分析で済ましては、もったいない気がする。また、株高などの資産効果もあるにせよ、贅沢品や百貨店販売の消費に占める割合は小さく、それだけで納得してはいけない。やはり、設備投資増→雇用増→所得増→消費増というスタンダードなルートを点検する必要があろう。 今回、特に目を引いたのは、勤労者世帯の実収入が増加し、消費性向が少し下がった点である。2月は、実収入があまり増えていないのに消費が大きく伸び、消費性向が

    マインドで済ますな - 経済を良くするって、どうすれば
    laislanopira
    laislanopira 2013/05/03
    "設備投資増→雇用増→所得増→消費増」のルートにおいて、それぞれの兆しはあるということだ。設備投資を削るような厳しい経営が一服し、採用や就職のメドが立ち、働き出すのに物要りとなった。そんなイメージ"
  • マクロ政策と雇用の在り方 - 経済を良くするって、どうすれば

    総研の湯元健治さんたちが出した「北欧モデル・何が政策イノベーションを生み出すのか」は、非常に示唆に富むだ。民間シンクタンクのメンバーが政策論を深める成果を世に問うたことに、まずは賛辞を送りたい。今日は、第1章の労働市場に関して、いくつかコメントをしてみたい。 山田久さんが執筆した第1章の結論は、労働移動を進め、マクロ的な賃金調整を機能させ、それを積極的雇用政策で支えるというものだ。労働力の流動性を高めて成長につなげる考え方は、オーソドックスなものだろう。その中で、興味を引いたのは、金融政策のインフレ・ターゲットがマクロ的な賃金決定に及ぼした影響である。この一番おいしい部分を、もっと掘り下げたら良いと思う。 スウェーデンの場合、インタゲがあるために、労働側が無理な賃上げを強いてインフレを高めてしまと、金融引き締めの発動によって景気が減速し、結局は雇用条件を悪くすることになる。この見通し

    マクロ政策と雇用の在り方 - 経済を良くするって、どうすれば
    laislanopira
    laislanopira 2013/01/27
    "こうした「人を大事にする経営」は、日本経済の成長が前提だ。成長しないことを受け入れ、雇用の在り方を変えるべきなのか、それとも、マクロ経済の運営の方を変え、成長を確保すべきなのか"
  • 経済学を人類に役立てるために - 経済を良くするって、どうすれば

    たまたまなのだが、年末年始は、ジュディ・ダットンの「理系の子」とトーマス・カリアーの「ノーベル経済学賞の40年」を並行して読むことになった。前書の全米科学オリンピックを目指す子供たちの真実探求と問題解決にかけるひたむきさと、後書の「経済学は、そもそも何を発見したのか、何の役に立つのか」という根源的な疑念に貫かれた内容は、痛烈なほど対照的だった。 筆者も若い頃は、「常識的な知見を数式にしただけで、何がおもしろいんだ」と感じていたので、カリアー先生の疑念はもっともに思える。唯一、ケインズの「合成の誤謬」に触れたとき、「あぁ、この人は天才だ。現実の中に常識を超える知見を探し出してこそ、真の学問というものだろう」と感じた。そして、いまだ経済学は、これを超える「発見」をしていないのではなかろうか。 こうなってしまったのは、個々の利益の追求が最大効率をもたらすとする「経済学」が、政府の介入や規制を否定

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