新世界にある映画館「新世界国際劇場」(大阪市浪速区)がSNSで大きな話題を集めている。その理由は、新型コロナウイルスの状況をモチーフにした架空映画の絵看板が掲出されたからだ。 昭和25年にオープンした「新世界国際劇場」は、週替わりで洋画を3本立て上映する二番館として知られ、さらに「映画絵アーチスト」の八条祥治さんが手がける上映作の絵看板は新世界名物にもなっていた。 そんな同館も、新型コロナウイルスの影響により4月8日から当面休業。そこで冨岡和彦支配人は、「この期間に何かやろう」と架空映画の絵看板の制作を発案。14日に打ち合わせをして、21日に絵看板の掛けだしをおこなったという。 企画から完成までかなり早いスピード感に思えるが、冨岡支配人は「毎週の絵看板制作と変わらないです。これをずっとやってきていますから。手描きの看板だから、こういうことは自由にできますね」と涼しい声色。 ちなみに架空映画
5月1日に『大阪市コロナウイルス対策本部会議』がおこなわれ、市民局から特別定額給付金について説明。大阪市では、同給付金の支給は6月上旬目標であることを明らかにした。 国民に一律で現金10万円を給付する特別定額給付金。大阪市の対象者は約152万世帯(約274万人)と膨大な数で、区役所などでの3密(密閉・密集・密接)を避けるため、申請はオンラインか郵送のみとなった。 申請開始は5月18日(郵送は22日)からで、市では住民登録情報などと照らし合わせて審査し順次支給を決定。振り込みは、オンライン手続きだと6月上旬、郵送は6月中旬を予定している。 意見交換で松井市長は、「オンライン受付の開始に2週間かかるのはなぜか? 目の前、食べていけないという人がたくさんいるなか、できる限り1日でも早く届けれるようにするべき」と担当部局に指示。 また市民に向けても、「申請する人も、困っている人が先に受け取れるよう
レストランの屋号とした「湊倶楽部」。「湊」はかつての港町として物が集まる場所、「倶楽部」は人が集まる場所という意味を込めたという 大正時代の建築物「旧網干(あぼし)銀行本店」(兵庫県姫路市)が、新しい所有者によりレストランとして再活用され、11月10日にオープン。こうした建築の再生は大企業や行政によるプロジェクトが一般的だが、今回は学生によるSNS発信がきっかけだった。 「SNSで広く拡散したかと思いきや、実は鍵付きの投稿」 その発端となったのは、網干出身で景観設計学を専攻する京都大学の大学院生・河北咲良(さくら)さん。2018年春、網干に帰省していた河北さんは、散歩中に建物が「売り物件」になっているのを見つけたという。 何げなく「中学の通学路を散歩してたら旧網干銀行の建物が売り物件になっててビックリだった」とツイッターに投稿。それは、フォロワーしか見られない「鍵付き」のプライベートなつぶ
左からSBドライブの大澤定夫さん、江尻修平さん、先進モビリティの佐藤大輔係長、畠山尚亮さん、大阪シティバスの山野内嘉昭部長(12月23日・大阪市内) 『大阪・関西万博』に向けて、12月から自動運転バスの実証実験が大阪市のベイエリアでスタートした。その一方でバス運転手の一部からは、「自動運転の普及で職がなくなるのでは?」という不安の声も上がる。 2020年1月19日まで自動運転バスの実証実験をおこなっている「大阪シティバス」(本社:大阪市西区)。同社では2020年度に湾岸部4路線で自動運転バスを運行し、市内を走る自動運転バスの本数を2024年度までに20路線へ拡大する目標がある。 その一方で、バス運転手にとって自動運転は死活問題。「自動運転バスに最初に取り組みだした際、社内では『運転手の仕事がなくなるのか?』という声もあった」と、同社の山野内部長は打ち明ける。 実際、自動運転にはレベル1~5
FM OH!『MusicBit』にゲスト出演したPerfume(左からかしゆか、あ〜ちゃん、のっち)、左から2番目はDJの遠藤淳(2日・大阪市内) 今年9月にメジャーデビュー15周年に突入したPerfumeが2日、FM OH!の番組『Music Bit』(月〜木曜・16時)にゲストで登場。先日リリースしたばかりのベストアルバムなどについて語った。 9月18日にリリースされた初のベスト盤『Perfume The Best “P Cubed”』は、あ~ちゃんが「チェックするの、超大変でした。今回、中田ヤスタカさんがリマスタリングしてくれて、曲順も含めて何回かチェックしたんですけど、聴き終わるのにマジ4時間くらい(苦笑)」という3枚組・全52曲という大ボリュームに。 ベスト盤にはこれまでのヒットチューンはもちろん、プロデューサー・中田ヤスタカとの出会いのきっかけになった新曲『Challenger
100人の日本人アーティストを起用した宿泊施設の「YOLO HOTEL MUSEUM(ヨロ ホテル ミュージアム)」(大阪市浪速区)が、大阪のJRと南海電車の新今宮駅近くに9月28日オープンする。 「ミュージアムのなかで宿泊できる」というコンセプトをもとに、廃墟だった団地跡に誕生した同宿。「YOU ONLY LIVE ONCE(人生は一度きり)」をテーマに、緻密なものから大胆なものまで全76室ひとつずつ異なる作品が描かれ、レストランなどもアートワークが楽しめる空間に。 訪日客をメインターゲットとし、「アートや文化が生まれるのは、NYならブルックリンと中心地から少し外れた場所。新今宮もそんな場所を目指したい。海外の方にとって日本での宿泊体験が魅力あるものになるとともに、SNSを通じて日本人アーティストが世界に羽ばたくきっかけになったら」と運営会社「YOLO JAPAN」の代表・加地太祐さんは
興行収入130億円を突破し、公開から2カ月経った今も記録を更新し続ける新海誠監督の最新作『天気の子』。米アカデミー賞にも出品が決まった同作品だが、そこには新海監督の前作『君の名は。』に寄せられた多くの意見に対する、新海監督としての明確な答えがあった。公開中に来阪した新海監督と、主人公のひとりである少女・天野陽菜の声を好演した森七菜に話を訊いた。 取材・文/春岡勇二 写真/上地智 「セオリーに縛られて発想を狭めることを避けた」(新海監督) ──公開から2カ月近く経ったわけですが、映画のパンフレットに監督ご自身が書かれたものや、すでに世に出ているインタビュー記事なんかを読むと、そこには、前作『君の名は。』で怒った人をもっと怒らせたい、といったような挑発的ともとれる文言が並んでいます。その真意からお聞かせ願えますか。 新海「そうですね、『君の名は。』ではたくさんのご意見をいただきました。これはと
近鉄奈良線「学園前駅」(奈良市)の南側一帯で『学園前アートフェスタ2017-メメント・森-』が11月4日から始まります。 学園前は昭和の高度成長期に開発されたニュータウンで、いわゆる「瀟洒(しょうしゃ)な住宅街」です。また地区内に私立校や美術館があり、文教地区でもあります。しかし、そんな学園前でも近年は少子高齢化や空き家問題が顕在化してきました。このイベントは現状を憂う地元有志が発案し、駅南側の空き家、学校、美術館、ギャラリーなどを会場にアートイベントを開催するものです。美術展を楽しみながら、地元の歴史と現状を振り返り、何らかの突破口を模索することがテーマとなっています。ちなみにサブタイトルの「メメント・森」は、ラテン語の警句「メメント・モリ(死を忘れるな)」と、開発前の学園前が深い森だったことにちなんでいます。 中島麦作品 ※参考図版(帝塚山学園18号館でワークショップを開催) 参加作家
1976年(昭和51)に開催された『日本国宝展』以来、41年ぶりとなる特別展覧会『国宝』が、「京都国立博物館」(京都市東山区)にて今秋開催される。数十年に一度しか見られないレベルの国宝の祭典。その出展作品がメディアに発表された。 同館全12ジャンルの研究員が総力をあげ、国宝の1/4にあたる200点以上が集結。「深鉢形土器(火焔型土器)」や「伝源頼朝像」、奈良・薬師寺「吉祥天女像」など、誰もが知るお馴染みの国宝はもちろん、今年指定されたばかりの「大日如来坐像・不動明王坐像」(大阪・金剛寺)など、縄文から近世に至る幅広いラインアップが魅力だ。 国宝指定作品数日本一の画家・雪舟の国宝全6作品一挙公開 なかでも、室町時代の画僧・雪舟の国宝全6作品が一部屋に同時展示される贅沢な空間は必見(開幕後3週間限定)。近世絵画担当の福士雄也研究員は、「これまでどの雪舟展でも実現しなかった空前絶後の展示なので、
『手塚治虫文化賞新生賞』『このマンガがすごい!2015』オトコ編第1位など、数々の賞に輝いた大今良時のベストセラーコミックをアニメ映画化した『聲の形(こえのかたち)』が現在公開中だ。制作は映画『けいおん!』や『たまこラブストーリー』などを手掛けてきた「京都アニメーション」。すでに興行収入は10億円を突破。京都での舞台挨拶直後に、山田尚子監督に話を訊いた。 取材・文/春岡勇二 「嘘なくやらなくてはという覚悟で」(山田尚子監督) ──作品が公開され、満員の劇場で舞台挨拶をされた、今のお気持ちからお聞かせください。 『聲の形』は、公開前にどうしようとか、どのように受けとめられるかドキドキするとかは、実はあまりなかったです。というのも、この仕事をいただいたときから、たとえどのような評価を受けることになっても、『聲の形』の持っている魅力を映画にするんだという覚悟をして挑んだので。やりきったと言うと少
写真集を中心としたアートブックを読みながら、お酒やフードを楽しめるブックフェア『PND 写真集飲み会 in Osaka』が、5月14、15日に大阪・心斎橋の「ドゥラポ」(大阪市中央区)で開催される。 京都の「赤々舎」、大阪の「ハモニカ古書店」「ソラリス」など関西の書店をはじめ、『未来ちゃん』の大ヒットで知られる出版社「ナナロク社」など、全国から45の書店や出版社が一堂に集まるブックフェア。稀少な写真集やイベント限定のZineも販売されるとともに、日本酒「山中酒の店」やクラフトビール「箕面ビール」、ワイン「TAKAMURA」といった大阪の有名店が飲食ブースに出店し、お酒を片手に写真集を眺めたり、気軽に作家と話ができる。 もともと、主催者の1人である「roshin books(ロシンブックス)」の斉藤篤さんが、友人らと居酒屋の片隅で写真集を回し見ていた普通の飲み会から始まったが、回を重ねるうち
2015年11月、京都の舞台芸術を担ってきた劇場「アトリエ劇研」(京都市左京区)が2017年8月で閉館という衝撃が、関係者の間を走った。劇作家・演出家で、同劇場のディレクターを2014年から務めるあごうさとしさんに、閉館への想いを聞いた。 本劇場は、1984年に館主・波多野茂彌さんが私財を投げうって作った劇場。天井の高さがあって設備が一式そろい、サポートまでしてもらえる貴重な劇場は、若手が低リスクで利用できる場として、その後の京都舞台芸術に重要な役割を担ってきた。閉館の一報に「京都で育った多くの諸先輩方からも、惜しまれる声と館主への感謝の言葉をいただいてます」という。 実はあごうさんがディレクターに就任してから劇場では、年間プログラムと劇場支援会員制度という欧州型の劇場運営の導入や、将来有望な若手たちをバックアップする制度など、多くのチャレンジを重ねてきた。「とりわけ若いカンパニーには、複
前衛芸術や現代アートと聞くと「わからない」や「難しい」と感じる人も少なくない。一方で前衛芸術家である草間彌生の水玉は、多くの人に支持されている。人は「わからない」芸術に対して、なぜ拒否反応を示し、また一方でどんな時にそれを面白いと感じるのだろうか。 3月5日から京都市内各所で行われている『KYOTO EXPERIMENT 2016(京都国際舞台芸術祭)』では、舞台芸術の第一人者から新進気鋭のアーティストまでが様々な実験的公演を行っている。セリフも無く人がうごめいている舞台や、静と動が反復するだけのダンスなど、メッセージやコンセプトが素直に伝わりにくい公演がほとんどだ。本芸術祭に参加するパフォーマンス集団・contact Gonzo(コンタクト・ゴンゾ)もまた、体をぶつけ合い、殴り合うパフォーマンスを複数名で行い、観るものには喧嘩なのかじゃれ合っているのかも判断が難しい表現者。そんな「わから
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