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ブックマーク / note.com/teshima_kairei (10)

  • 斉藤章佳『「小児性愛」という病』の批判的検討~表現が性犯罪を誘発する?~|手嶋海嶺

    ゆっくりしていってね!!!! とてもゆっくりしたフォロワーさんから、「次のツイートを批判的に検討してみては?」というご提案をいただいたわ。 表現規制派・表現悪影響派が「根拠」として引用することが多いデータがそのツイートに並べてあると伺ったの。 こちらのツイートね! 児童ポルノについては斎藤氏の研究がある。https://t.co/Z53xuoMCEC また、性犯罪件数は日は横ばい傾向だが、児童に対する性暴力相談件数は増加傾向。https://t.co/yjp0avXYGQ 女性蔑視については社会通念(すなわち文化を含む)の影響が大とする調査がある。https://t.co/pYFKq3cMp4 https://t.co/xfoLiT3TK0 — レキシ・ヘンサン (@rekishitos) November 15, 2021 まず、「斎藤氏の研究」と言われているのは、『「小児性愛」という

    斉藤章佳『「小児性愛」という病』の批判的検討~表現が性犯罪を誘発する?~|手嶋海嶺
  • 渡辺真由子氏の総説論文「性的有害情報の実証学的系譜」への批判|手嶋海嶺

    はじめにインターネット上において、性的表現について論じられる時、しばしば「性的表現の悪影響」が取り上げられ、一部のフェミニストリベラル知識人たちから規制の強化が必要だと叫ばれる。 その時、頻繁に引用されるのが2012年に渡辺真由子氏が出版した総説論文『性的有害情報に関する実証的研究の系譜~従来メディアからネットまで~』である。例えば、直近でも次のようなツイートがあった。 参考文献 渡辺 真由子(2012) 「性的有害情報に関する実証的研究の系譜 ~従来メディアからネットまで」『情報通信学会誌』30(2):81-88(2023年7月20日取得,https://t.co/n8yzJevsvq…) https://t.co/YHF5bdSReu — 金木犀。6/14 (@kaneki_say) July 20, 2023 Twitterで表現の自由界隈と呼ばれている(私も含まれる)人々にとって

    渡辺真由子氏の総説論文「性的有害情報の実証学的系譜」への批判|手嶋海嶺
  • AVスプラの問題から、創作物と二次創作物の関係について考える~通報祭りというキャンセル活動の問題~|手嶋海嶺

    動画配信ツールには、特定の色を別の画像または動画に置き換える機能(クロマキー)というのがあるわ。 その機能を使って、相手チームの色をAV画像にすることで、「塗り負けるとアカウント停止をらう!」という、かなり品のない勝負をした人たちがいるみたい。 これは「#AVスプラ」と呼ばれ、ネットで大炎上になったわ。Twitterのトレンドにもあがった模様。 https://twitter.com/terasuke4_xeno/status/1578793813724008448より(アーカイブはこちら)この騒動について「良い、悪い」を言う前に、原理原則を整理しておくわ。 ある表現をする(創作した動画を配信・投稿することなど)ことは、生存する他者の人権を侵害しない限り(公共の福祉を侵害しない限り)において、許されていることよ。 動画を配信することも、誰かが配信している動画に対する「パロディ」動画を配信

    AVスプラの問題から、創作物と二次創作物の関係について考える~通報祭りというキャンセル活動の問題~|手嶋海嶺
  • 「性的表現と性犯罪/性的攻撃性」の関係~最先端の科学的知見に迫る~|手嶋海嶺

    更新履歴 2022/6/5 Twitterでのご指摘から、Bhuller et al.(2011)がKendall(2007)の「ポルノが性暴力の代替となる」(代替効果説)の内容を批判しており、代替効果説の信頼性に嫌疑があることが判明したため、それを付記。 2022/6/6 Ferguson(2022)の翻訳文を一部訂正(趣旨に大きな変更なし)。 2022/6/7 Kendall(2007)の信頼性に関する嫌疑を受け、文および「まとめ」の文言を修正。uncorrelated氏が検討したブログ記事へのURLを追記。 2022/6/9 また後日のuncorrelated氏のブログ記事より、Bhuller et al.(2011)がノルウェーを対象にして行った研究では代替効果説が支持されなかったが、一方で、同じ手法を踏襲してドイツを対象にして行った研究(Diegmann, 2019)では「ドイ

    「性的表現と性犯罪/性的攻撃性」の関係~最先端の科学的知見に迫る~|手嶋海嶺
  • 『月曜日のたわわ』広告問題~「学者先生」の悪あがき~|手嶋海嶺

    ゆっくりしていってね!!!! ゆっく……ゆっくり……。 あの、まさか3回も連続で、『月曜日のたわわ』日経新聞広告騒動について書く羽目になるとは思ってなかったわ。 私は一体、いつまで同じ場所でゆっくりさせられるのかしら? ※この記事単体でも、全貌が把握できるように書いてあります。 ……ともあれ。 今回は、次の趣旨でこの問題を論じていくわね。 ・3154人を対象とした調査によれば、『月曜日のたわわ』広告は、女性を含めて多数派からは問題だと思われていないこと。 ・『月曜日のたわわ』の作品内容まで評価するなら、問題視されている「性的な虐待」がないのはおろか、むしろヒロインの「主体性・人格」が尊重され、さらには「モノ化してはならない」というメッセージが十分描かれていること。 ・日経新聞が「違反」したとされる「アンステレオタイプアライアンス」がポジティブチェックなのかネガティブチェックなのか、全く判然

    『月曜日のたわわ』広告問題~「学者先生」の悪あがき~|手嶋海嶺
  • 小宮友根氏の論の問題点~それは性的客体化表現ではない~|手嶋海嶺

    さて、これらの記事の中で、小宮さんはマーサ・ヌスバウムの「性的客体化」という論文と、アン・イートンの「女性ヌードの何が悪いのか?」という論文に基づいて萌え絵の問題を分析しているのだけれど、それがめっちゃ間違ってるのよね。 前者のヌスバウムの論文内容と萌え絵の問題が合わないことについては、ヒトシンカさんが「性的対象化」(センサイクロペディア)の中で詳述していらっしゃるから、そちらを参照してね。 私のほうでは、アン・イートンさんの論文を扱っていきましょう。 結論からいうと、小宮さんの主張は、ヌスバウム論文に支持されない上、イートン論文にも支持されないわ。 論文2つだけなんだから、ちゃんと読みなさいよ……。 イートンさんと小宮さんの齟齬小宮さんは、対談記事で次のように萌え絵イラストの道徳的な問題点を述べているわ。 —女性の「性的」表現が「性差別」的になりうるポイントとは。 小宮 ふくろさんのイラ

    小宮友根氏の論の問題点~それは性的客体化表現ではない~|手嶋海嶺
  • プロゲーマー契約解除問題:キャンセル・カルチャーと表現規制の問題点|手嶋海嶺

    ゆっくりしていってね!!!! YANAMi先生のおかげで新しい身体を得て、東方Projectとはそれほど関係がなくなったゆっくり生命体、てっしーよ!(※手嶋の略) ねえ、鏡よ鏡……世界でいちばん美しいのは――私よ!!!! YES, I am beautiful. さて。「無機物である鏡には、判断能力がない」「また、容姿を他人がジャッジするのは性的搾取であり、違法」「よって自分で判断するしかない」という当たりまえの前提とロジックを確認したところで、日のテーマに行きましょう。 題としては、プロゲーマー・たぬかなさんの契約解除の件なんだけど、その前に、そもそもの表現規制反対の原理・原則について説明させて頂くわね。 ツイートでは、「契約解除は仕方ない・当然だ」という意見の人に対して、かなりキツい非難もしてしまったけれど、私自身にも同様の趣旨の話に賛同していた経験はあるから、正直気持ちは分かるの

    プロゲーマー契約解除問題:キャンセル・カルチャーと表現規制の問題点|手嶋海嶺
  • オープンレターに見るキャンセルカルチャーの未来|手嶋海嶺

    【変更履歴】(2022/1/23以降で「追記」ではなく文を変更したもの) 2022/1/23 アゴラ編集部を批判した文章を一部変更しました。(アゴラ編集部が問題となった誤情報の拡散について謝罪・訂正されたため。) 2022/4/5 オープンレターが削除されたため、それに合わせて変更。また文を整理。なお、アーカイブは現時点では残っているようです。今回のテーマは、Twitterネット論壇を大騒動にしていて、「自主規制」の嵐が吹き荒れている「女性差別文化に反対するオープンレターに関する問題」について――なんだけど。 なんだけど。 私としては、「オープンレターの中心」と名指しされている小宮友根・東北学院大学准教授に的を絞るわ。 小宮さんが中心になり、今回の件についてオープンレターを作ってくださいました。賛同者も募っていますので、関心のある方はご覧ください。https://t.co/FvX0nB

    オープンレターに見るキャンセルカルチャーの未来|手嶋海嶺
  • TPO論、「公共の場にふさわしくない」論の正体~自主規制の危険性~|手嶋海嶺

    これまで、私のnoteでは「表現の影響」について科学的に検討し、「性的表現が、性犯罪・性差別を助長する根拠はない」と論じてきたわ。 とはいえ、次のような批判の声もあったのは事実よ。 「誰も科学的根拠や因果関係があるという話なんかしていない!」 「(性的な)萌え絵は、TPOや公共の場に相応しいかどうかの問題だ!」 確かに「Twitter論壇的な言論空間」においては正しい指摘かもしれないわね。 でも、世界の動向は必ずしもTwitter論壇と一致しないのも事実。 実際問題、 1.国連女子差別撤廃委員会の勧告文書や日ユニセフの「準児童ポルノ」の法的規制を求める声明 2.フェミニスト議員連盟のVTuber戸定梨香に対する抗議文書 3.共産党の「非実在児童ポルノ」に関する声明 他にもたくさんあるだろうけど、直近だとこのくらいかしら。 これらでは、相変わらず「性犯罪や性差別を誘発・助長する」というスタ

    TPO論、「公共の場にふさわしくない」論の正体~自主規制の危険性~|手嶋海嶺
  • 表現悪影響論・表現規制論に対抗するための『理論武装』~その科学的根拠~|手嶋海嶺

    ゆっくりしていってね!!!! 今回の記事では、タイトルに書いたように 表現悪影響論・表現規制論を徹底的に批判するわ。 また、「表現の自由」側の主張の根拠として、特に重要性の高い論文を紹介&解説させていただいたわ。 もちろん、海外の査読付き学術誌に掲載された論文から選定したし、さらに複数の総説論文を参照してチェック、「一部の変な研究者に支持されているだけじゃないの?」という疑念まで解消した安心設計よ! 表現に関する議論に役立つ、強力な『理論武装』の一助になるはず! 【2022年1月13日追記】 こちらのnote記事に対し、次の批判記事が公開されました。 私のnote記事を「これから読む」という方は、まずは上記の記事を読まれることを強く推奨致します。(誤った部分を修正したとしても、表現規制反対の論に不利な方向の変更とならない点は幸いでした。) なお、私の記事に含まれる誤った記述に関しては、一

    表現悪影響論・表現規制論に対抗するための『理論武装』~その科学的根拠~|手嶋海嶺
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