仕事から帰ってきたら、リビングに見慣れない物体が鎮座してた。 何だこれって近づいてみると、どうやらそれは息子が図工の時間に作ったパノプティコンらしい。 パノプティコンって知ってる?真ん中に塔みたいなものが立ってて、そこから360度、全部監視できる構造になってるやつ。昔の監獄とかで囚人を監視するために考えられたっていう、アレね。 で、うちの猫がパノプティコンの監視塔にちょこんと収まってるんだよ。 この塔がまた息子らしく、やたらと細かく作り込んである。監視用の穴が四方八方、東西南北にびっしりと開いてるんだよ。 さっそく猫に向かって「おーい」って手を振ってみたらシュッて手が飛んできて、こっちがちょっかいを出す方向にきっちり反応してくれる。 それでさらに試してみたくなって南の穴から指をひょいひょい動かしてみたら、「…来る!」と思った瞬間、ピシッとそっちの窓から肉球パンチ。 今度は北側の穴の方で指を