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ブックマーク / ten-navi.com (14)

  • 栗拾いツアーに誘われない僕は「嫌われ上手」かもしれない|Pato | Dybe!

    「おれたちおっさんはね、上手に嫌われなくちゃならないんだよ」 煙が充満する小さな居酒屋。木製の棚には乱雑に並べられた鏡月のビンが居座っていて、手書きのメニューは少しだけ茶色っぽく変色していた。換気のために開け放った窓からは、夕方と夜の境界線みたいな空が見えていて、小さな星が一つだけポツリと居心地悪そうに瞬いていた。 「え? 上手に嫌われるってどういうことですか?」 突拍子のない言葉に、少し身を乗り出してしまった。 この世の中の多くの事象は、おおよそ自分とは関係ないものばかりで構成されている。SNSを泳ぐ綺麗な女性も、宝石をまぶしたようなあのタワーマンションも、誰かの相談事も、誰かの離婚話も、あの標識だって、そのへんの石だって、突き詰めるとまあまあ無関係だ。そう考えると自分に関係あるものなんてほんの一握りの小さな光みたいなものなのかもしれない。草原にポツンと浮かぶペンライト、そんなものだろう

    栗拾いツアーに誘われない僕は「嫌われ上手」かもしれない|Pato | Dybe!
  • お前は成長しているのか?〜イネと女子高生|Pato

    「思っていた以上に稲の成長が早いの。すごいんだから!」 あれは6月のこと。僕は地方都市の駅前ロータリーに立っていた。初夏の風が心地よく、爽快な気持ちになる。 そんな場所でバスを待っていると、冒頭のセリフが聞こえてきた。それ自体は特段に取り立てることではなく、ごくありふれた雑踏の中の一つの言葉であったが、大きく興味を持ったのは、そのセリフが女子高生の口から放たれたからだった。 (写真:photoB/photoAC) 彼女は制服を少しだけ崩した着こなしをしていて、それ以外は普通の今どきの女子高生だった。健康的で活発そうでどちらかといえばかわいい子だった。そんな彼女の口から「稲の成長が早い」というアンバランスなセリフが出てきたのだ。稲と女子高生がつながらず、少なからず困惑した。 それでも彼女は友人に向かって興奮気味に、いかに稲の成長が早いか、今田んぼで何が巻き起こっているのかを説明していた。僕は

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  • 「印鑑はPCに入らない」コロナ禍でハンコ出勤を求める重役の主張が謎すぎた。|フミコフミオ

    「会社に行く=仕事をしている」という時代は終わるはずが… こんにちは。フミコフミオです。新型コロナウイルス感染拡大により、人と人との接触を減らすという観点から、全国的にテレワークが推奨されている。神奈川県にある僕の会社も現在、原則在宅勤務である。 今回の動きをきっかけに、仕事のやり方が変わっていけばいい。書類電子化とIT技術で、時間と場所と書類にしばられない働き方がより普及していくだろう。新型コロナが収束しても、この流れが戻ることはない。なぜなら、普通に真面目に仕事に取り組んでいる人間にとって、効率的で楽な働き方であることがわかってしまったからだ。 書類や企画書を作るときは、上司からの呼び出しや同僚からの相談といったノイズが入らないほうが、仕事がはかどる。営業職も、わざわざ会社にいかずに客先を訪問し、移動の合間に書類を作成したほうが効率的なのはいうまでもない。 仕事とは、成果と成果を出すた

    「印鑑はPCに入らない」コロナ禍でハンコ出勤を求める重役の主張が謎すぎた。|フミコフミオ
  • 集中力はこうやって飼いならす。サイエンスライター・鈴木祐が“圧倒的な仕事量”をこなせるワケ

    締め切り間近の仕事があるのに、SNSのタイムラインを見るのがやめられない。そんな「集中できない自分」にイラついてしまうビジネスパーソンも多いことでしょう。 こういう時、なんとなく 「追い詰められないと動けない“性格”だから…」 「“意志”が弱いから…」 と言い訳して、自分を納得させていませんか? 一方で、自分をうまくコントロールしながら膨大な量の仕事をバリバリとこなす“集中の達人”もいます。今回お話をお伺いしたサイエンスライターの鈴木祐さんもその一人。1日平均15の論文と3冊のを読み、2~4万字の原稿を生み出し続けています。 鈴木さんの圧倒的な集中力を支えているのは、性格や意志ではなく、集中を持続させる“仕組み”。その仕組みを、科学的なエビデンスに基づくメソッドで作り上げれば、誰でも「ヤバい集中力」を手に入れられるのだといいます。 「気を出せば何とかなる」と思いがちなあなたに、実践し

    集中力はこうやって飼いならす。サイエンスライター・鈴木祐が“圧倒的な仕事量”をこなせるワケ
  • 母を亡くした時、僕は布団を丸洗いしにコインランドリーに行った|Pato

    24歳の時に母を亡くした。もうずいぶんと前の話だ。 当時、僕は大学院生だった。下宿していた家賃3万円のアパートでその報せを聞いたはずだった。たしか電話がかかってきたんだと思う。あやふやな表現をしているのは、正直に言うとあまり記憶がないからだ。いまだに何をどうやったのかその行程がまったく記憶にない。ただカーラジオからaikoがかかっていたことだけは薄っすらと覚えているので、たぶん車を運転して実家へと帰ったんだと思う。そして母の遺体と対面した。 少しだけその時のことを思い出していた。 クルクルと洗濯物が回る光景をコインランドリーで眺める。そこには言葉のない世界があった。静寂の中でもう遠い昔となったその時のことに思いを巡らせる。いつもここにくると思い出す。それには少しだけ理由があった。 また乾燥機が回っていた。 コインランドリーの乾燥機はなかなかにパワフルなので、おもいっきり乾燥したい時や、急い

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  • 正しさが暴走するこのインターネットは早急に滅ぶべきである|Pato

    雨の中、一人で帰る小学生を見た。 なぜか小学生はランドセルを背負いながら傘もささずに歩いていた。土砂降りの雨だ。頭の先からつま先までずぶ濡れである。何か理由でもあるのだろうかと少し気になった。 わざと濡れて帰るという行為については、僕の身にも覚えがある。バカだったので、濡れながら帰るという行為をかっこいい、と勘違いしていたのだ。土砂降りの雨の中をストイックに歩く尾崎豊的な姿をイメージしていたのだろう。実際には小汚い子どもがずぶ濡れになっているだけだったが、僕自身はかっこいいと思っていた。 あの小学生もそういった種類の陶酔だろうかと考えたが、雰囲気からしてもそうは思えない。気になったし、理由をたずねたかったが、僕が小学生に話かけてしまうとその時点で声掛け事案になりかねないので、郵便局の屋根が庇みたいになっている場所からその様子を見守ることしかできなかった。 小学生はあいも変わらず、少し大きめ

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  • 会社員、フリーランス、経営者。全部やったから語る「脱社畜」|トイアンナ

    お金がほしい。 私のキャリア観はとてもシンプルだった。 なぜお金がほしいか。 その答えもシンプルだ。 私は、親から逃げたかった。 親から逃げる子は、新卒で高い給与を求める これまで1,000人以上の人生相談を聞いてきた経験から申し上げると、 新卒でわざわざリスクのある外資やメガベンチャーへ入りたがる学生の中には「親から逃げ出したい子」が一定数いる。 親の借金、DV、アルコール依存、うつ、宗教から逃げ出したい子にとって、就職で自立する資金を手に入れるのは死活問題だ。 私もまた、同様の子どもだった。母は「自称・神が憑いている」人間。 幼いころから魔術や霊感の世界にどっぷりつかる母に苦しんだ私は、親から離れられる、高所得で能力主義の外資系企業を選んだ。 そこからフリーランス、そして経営者へ そんな私がフリーランスになったのは、前夫のイギリス転勤へ帯同するためだった。 私は外資系企業のマーケティン

    会社員、フリーランス、経営者。全部やったから語る「脱社畜」|トイアンナ
  • 好きなことで稼げるようになった僕が、それでも会社を辞めたくない理由|吉本ユータヌキ

    会社に勤めながらイラストレーターをしています。吉ユータヌキです。兼業生活を始めてからの5年間で、漫画の連載から出版、グッズ販売、音楽フェスのグッズデザインなどなど……自分にとっては夢のようなお仕事をたくさんさせてもらっています。そんな僕を見て、周りからはよく「会社辞めてイラストレーターを業にしないの?」と聞かれます。うーん。 SNSフリーランスイラストレーターさんたちを見てると、コンスタントに自分の漫画をアップしたり、昼過ぎに起きたりしている人が多いんです。僕が会社で働いている間に、みんなは自分のしたいことを優先に生活している。うらやましい。めちゃくちゃうらやましい。だって通勤ラッシュもないんでしょ? でも、会社員との兼業を選んだのは自分の意思。僕は、「会社に勤める=ちょっとした『気持ちの余裕』を買っている」ものだと思っています。 フリーランスをうらやむ必要なんてない 「フリーラン

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  • 29歳、人生に詰んだ元アイドルは「赤の他人のおっさん」と住む選択をした|大木亜希子 | Dybe!

    2017年、11月某日。 得意先に向かう途中、私は突然、足が動かなくなった。 「動かない」というのは、比喩ではない。文字通り、足が一歩も前に進まない状態になったのだ。 日比谷駅で。 肉離れをしたわけでもなく、脚の神経が故障したわけでもない。 ただ、PC上で強制終了が選択されたように、「歩くのやーめた」という号令が脳に降り、それきり司令塔は機能しなくなった。 その数分前まで自分を苦しめていた「彼氏が欲しい」「給料上がれ」といった煩悩のダムは、静かに決壊した。 かすかに電車がやってくる音がして、「黄色い線の内側をお歩き下さい」という駅員の怒号が飛ぶ。 ギリギリのところで車両はかわしたが、はたして悟る。 「これはきっと、しばらく何をしても動かねぇな」 予想は的中した。 その後も数十分間、の裏が地面に接着剤で固定されてしまったような状態が続く。 狭いホームで、通勤バッグを抱えたアラサー女が一時停

    29歳、人生に詰んだ元アイドルは「赤の他人のおっさん」と住む選択をした|大木亜希子 | Dybe!
  • ほとんどの上司は「自分は”えこひいき”していない」と思っているが、実際にはしている|by ふろむだ | Dybe!

    僕、頭が悪いんです。 僕みたいな人間は、どうやって生きていけばいいのでしょう? こんな相談を、ときどきネットで受けます。 いや、だったら、頭で勝負しなけりゃいいだけです。 頭が悪いなら、好感度で勝負すればいいんです。 実力が低く、成果をあまり出せない人でも、 好感度が高ければ、実力も成果も、実際以上に高く知覚されるからです。 これは、感情ヒューリスティックという認知バイアスが作り出す、思考の錯覚です。 もちろん、逆もあります。 それなりに実力があって、成果もそこそこ出している人でも、 嫌われちゃうと、実力も成果も実際よりもずっと低く知覚されます。 「好かれるやつは、”えこひいき”されるってことだろ? そんなの当たり前じゃん」 って思いました? そうじゃないんです。 拙著『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』に詳しく書きましたが、ここで重要なのは、『「意識」の知らない

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  • いつの間にか間違いだらけだったクソ上司の背中を追いかけていた|フミコフミオ | Dybe!

    かつて、クソ上司の下で一緒に働いていた頃、僕はほとんど毎日のように「こいつ……」とキレそうになっていた。 彼のもとから離れて数年経ち、管理職になった僕は今、不意ながら彼の背中を追いかけているような気がする。 クソ上司と過ごした地獄のような日々 「反面教師」……そのひとことで終わらせるには惜しすぎるクソ人格。そんなクソ上司に振り回されたあの10年間は、僕と同僚たちにとって、大袈裟な言い方をすれば地獄のような日々だったけれども、あの頃の時間と経験が現在の僕を形成したのは間違いない。認めたくはないけれども。 彼は、言い間違いの多い人だった。相手の名刺に「CEO」と書かれていたら「瀬尾さん」と呼び、ラベルをレッテルと呼んでは現場を混乱させた。 クソ上司:「あの新商品に俺はレッテルを貼ったほうがいいと思う……」 僕ら:「マジかよ……」 かと思えば彼は、何かのスピーチで「私に続く後進のために、若い芽

    いつの間にか間違いだらけだったクソ上司の背中を追いかけていた|フミコフミオ | Dybe!
  • 会社はいわば、お金がもらえるネイルサロン。これを利用しない手はないよね?|フミコフミオ

    僕はフミコフミオ。普通の人の働き方に興味がある中年会社員だ。昨年夏から、とある品会社の営業部長として働いている。会社で働く一方で、ブラックな環境で働いていた経験を活かすべくインターネットでこういった文章を書かせていただいている。 最近、僕の「働く」に対する考え方が変わってきた 突然だが、あなたにとって「働く」とは何を意味しているだろうか。「単純労働」「生活の手段」「生きる意味」「自己表現」。「特に何も考えていない」人もいるかもしれない。 労働基準法には、労働者は「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」と定義されている(第9条)。会社員の場合は、会社に使われていることが労働=働くことになる。 僕もごく最近まで、「働く」とは「労働し、その対価として賃金をもらうこと」と考えていた。その認識は間違いではない。だが今は「会社に自分の時間を捧げ、能力を貸していること

    会社はいわば、お金がもらえるネイルサロン。これを利用しない手はないよね?|フミコフミオ
  • 僕らは1UPキノコなんていらなかった|Pato

    は泣いていた。 もう10年くらい前になるだろうか。この季節になると必ず思い出すことがある。この年になると誰かに褒められたり怒られたりすることはほとんどない。直接的に評価されることがほとんどないのだ。ただ、確かにあの時はそれがまるで人生のすべてと考え、欲していた。誰かに評価されたかった。だから山は泣いていたのだ。 笑い声と喧騒、そして過剰なまでに元気な店員の声とで満たされた居酒屋で、山は泣いていた。通路向こうのテーブルで女の肩を抱き、緩みきった情けない表情を見せているロック歌手風の男が見せるその笑顔とは対照的に、山はただ泣いていた。 (写真:naka/PIXTA) 「俺、もう辛いわ」 山はそう切り出すと、ジョッキの生ビールを空にし、また泣いた。久々に会うことになった山は僕の知っている山ではなかった。彼は自信に満ち溢れていたし、受験や就活といった人生の節目において、常に理想を実

    僕らは1UPキノコなんていらなかった|Pato
  • 15年間も世界で勝ち続けたプロギャンブラーに 「運を最大にする方法」を聞いてみた

    「もし、運を自在に操ることができたら…」。そんな妄想を抱いたことはないだろうか。それができれば、人生も思いのままにちがいない。 それに近いことをしてきたスゴイ人がいる。15年間ギャンブルで勝ち続け、世界を旅してきたプロギャンブラー、のぶきさんだ。 15年にわたり運と正面から向き合い、運を味方にしてきた彼に、「運の上げ方」をズバリ聞いてみた。 運をマネジメントして「勝率9割」の境地に

    15年間も世界で勝ち続けたプロギャンブラーに 「運を最大にする方法」を聞いてみた
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