若者の自殺者年間6500人 〜友人に深刻な悩みを相談されたらどうする? 「助けて」と言えない命を支えるために 12月の夕暮れ、頬を掠めていく風が冬の気配を強めている。かじかむ手をポケットにしまい、踏切が開くのを今か今かと待っていたときのことだった。けたたましく鳴り響くその踏切のすぐそばの、小さな看板が目に留まった。 「心の痛み 話せる電話です」 自殺予防のための「いのちの電話」の番号が書かれた看板だった。一瞬どきりとして、頭が真っ白になった。そしてこれまで、自ら命を絶っていった友人たち、知人たちの顔が頭を過った。 彼らのことを、ここでも、そして人前でも、公の場で語ることはできずにいる。なぜなら家族や身近な人たちが、それを望まないことが多いからだ。それは尊重されるべき感情であることに変わりはない。 けれどもこの悔しさを繰り返さないために、大切な人にどんな風に寄り添ったらいいのか、それを誰に尋