本書のような本の場合、その有効性は「ものの言いよう」にかかってきます。「ものは言いよう」というわけですが、それが巧みであると感じられれば、「うまいことを言う」というわけで、「そういう考え方もあるか・・・」と何となく納得して、心理的緊張がゆるむ、というわけです。狙いはそこにあるでしょう。 以下にいくつか、本書らしい「心理ハック」を列挙していきますが、いずれも「ものは考えよう」の巧みさで勝負しています。心というのは不思議なもので、アルコール、カフェイン、そして向精神薬などの、「直接関与する物質」を動員しても変わろうとしない頑固さを持つ一方、ちょっとした一言や考え方を変えるだけで、いきなり解放されるということもあるわけです。 困ったときこそ決断を先のばしにする 想像が付くと思いますが、本書の内容はほとんどが、「逆張り」です。ですから「すぐに決めて、すぐ行動する!」というような、書店へ行けばすぐに